小惑星ベンヌの砂に6種類の糖

小惑星ベンヌ(右)とリボースの模型を手にする東北大の古川善博准教授=1日、東京都千代田区

 米航空宇宙局(NASA)の探査機オシリス・レックスが小惑星ベンヌから持ち帰った砂から6種類の糖が見つかったとの分析結果を、東北大の古川善博准教授(地球化学)のチームが2日、英科学誌ネイチャー・ジオサイエンスに発表した。日本のはやぶさ2が到達したリュウグウも含め、小惑星の試料から生命の主要な材料である糖が見つかったのは初めて。

 地球の生命の原材料は、大昔に降り注いだ小惑星が運んできたとの説がある。これまでの分析では、遺伝物質のDNAやRNAを構成する核酸塩基のほか、タンパク質の部品であるアミノ酸などが確認されていた。

 チームは米国側から提供を受けたベンヌの砂の粉末、約0・6グラムを分析し、6種類の糖を特定した。うち1種類は、RNAの材料の中で唯一、未確認だったリボース。一方、現在の生物が遺伝情報の保存に活用しているDNAを構成する糖は見つからなかった。地球に最初の生命が誕生した頃は、RNAが重要な役割を担っていたという「RNAワールド仮説」の傍証だとした。

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