日本肺癌学会が公表した2025年版の診療ガイドラインに、付録として治療薬の薬価一覧が掲載された。最新の知見に基づいて推奨する治療法などをまとめるガイドラインに、薬剤費の情報が盛り込まれるのは異例。肺がん治療では、年間3千万円を超える新しいタイプの薬も登場するなど、薬剤費が高額となるケースがある。
ガイドライン策定に携わった高橋利明静岡県立静岡がんセンター副院長は「医師に費用への認識を持ってもらうための情報提供として加えた」と狙いを語った。
肺がんはがんの中で死者数が最も多い。抗がん剤に加え、免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬などの新薬が次々と登場し、治療の選択肢が増えた一方、開発コストの高さを背景に高額な新薬も多い。
ステージ4の非小細胞肺がん患者に多く使われる分子標的薬タグリッソは年間676万7千円とされ、免疫チェックポイント阻害薬キイトルーダを使うと年間745万6千円、オプジーボとヤーボイを併用すると1256万8千円かかる。再発した小細胞肺がんが対象の新規治療薬イムデトラは年間3184万5千円という。