北九州市立文学館は19日、同市ゆかりの作家火野葦平と林芙美子が、日中戦争などに従軍した歴史を紹介する企画展を始めた。検閲で軍に都合の悪い描写が削除されたり、戦意高揚につながる作品が書かれたりする様子を、2人の原稿や書簡など約170点の資料で示す。9月28日まで。
火野は同市出身。従軍記「麦と兵隊」などが人気となり、戦後は戦争に協力したとして責任を追及された。林は従軍して「戦線」「北岸部隊」などの作品を発表した。
講演は約70人が聞いた。千葉県市川市の大学院生石井真穂さん(24)は「戦争を体験した人が減る中で、当時のことを美化することなく引き継いでいきたい」と話した。