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認知症高齢者の不安軽減 母介護で資格取得

[2010年3月10日 09時02分]

バリデーション・ワーカーの大野寿美枝さん(右)。「バリデーションで心にたまっているものを少しでも引き出してあげたい」

バリデーション・ワーカーの大野寿美枝さん(右)。「バリデーションで心にたまっているものを少しでも引き出してあげたい」

 別府市東山の大野寿美枝さん(54)は、県内では珍しいバリデーション・ワーカー。認知症のお年寄りの尊厳を回復し、不安を軽減するためのコミュニケーション法(バリデーション)を身に付け、全盲で認知症の母、西元(もと)さん(86)の在宅介護に役立てている。問題行動ばかりに目を向けるのではなく、共感して受け入れることで「わたし自身も気が楽になった」と話す。

 大野さんは2001年に母、03年に父(故人)の介護を始めた。介護福祉士など福祉関係の資格を取得。4年ほど前、テレビ番組でバリデーションを知り、「公認日本バリデーション協会」の講座を約2年かけて受講。実習などを重ね、昨年2月、ワーカーに認定された。
 母に寄り添い、「嫌なことは何?」と語り掛ける。「何をしてる時が楽しい?」「歌は好きや」「じゃあ歌おうか」―。筋が通らない会話でも、言葉の裏にある思いを感じ取る。自分を無にして、無批判に受け入れることが大切という。母親は歌うことで感情を吐き出し、穏やかな表情へと変わる。
 「トイレトイレ! 暗い暗い」と繰り返し太ももをたたき続ける母に、以前の大野さんなら「目が悪いけん仕方ないよ。トイレはさっき行ったばっかりやろ」と答え、泣いたり落ち込んだりすることが多かった。
 バリデーションを学び、「女性として失禁したくない」「独りぼっち」と不安を抱えていることに気付いた。今では「大丈夫。ここにおるよ」とそっと手を握ってあげる。自分をたたくことはなくなり、一緒に旅行にも行ったという。
 「異常に見える行動にも必ず理由がある。自分が変わることで母を受け入れることができた」と大野さん。より多くの人がバリデーションに出合ってほしいと感じている。

 <ポイント>
 バリデーション 主にアルツハイマー型認知症の高齢者とのコミュニケーション法。共感を持って接することを基本とし、病状の進行に合わせ、アイコンタクトや口調、表現方法などのテクニックを用いる。米国の介護現場で構築され、欧米など3万カ所以上の施設で取り入れられている。日本では2003年からバリデーション・ワーカーの養成が始まり、全国で138人が認定されている。

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