
都道府県対抗男子駅伝でフィニッシュする大分県のアンカー・治郎丸健一=24日、広島・平和記念公園
【広島臨時支局】第15回全国都道府県対抗男子駅伝競走大会は24日、広島市平和記念公園前を発着点とする7区間48キロのコースであった。大分県は3区で入賞圏内に入ると、その後も安定した走りを見せ、7位でフィニッシュ。2年ぶりの入賞を果たし、昨年マークした県記録も9秒更新した。
▽成績 (1)兵庫(西池、井戸、森本、延藤、志方、中谷、竹沢)2時間20分2秒(2)福島2時間20分5秒(3)埼玉2時間20分20秒(4)広島2時間21分0秒(5)長野2時間21分0秒(6)千葉2時間21分6秒(7)大分2時間21分9秒(8)三重2時間21分11秒(9)熊本2時間21分16秒(10)愛知2時間21分45秒
【評】大分は全員が安定した走り。3区以降は終始、入賞圏内をキープした。
1区で28位とやや出遅れたが、2区大塚、3区丸山がともに区間5位の快走。2人で順位を6位まで押し上げた。
続く4区白石が無難につなぐと、5区の高校生エース油布は故障を抱えながら懸命の走り。6区近藤、7区治郎丸も踏みとどまった。
過去最高順位(5位・1998年)の更新こそならなかったが、大分が2年ぶりに入賞。「控えに回った選手、スタッフを含め、チームの総合力でつかんだ入賞」と井上浩監督(東明高教)。一人一人の顔に達成感が広がった。
2区の大塚祥平(大分城南中3年)、3区の丸山文裕(旭化成)が流れをつくった。特に丸山はレース後に倒れ込み、病院で点滴治療を受けるほどの激走だった。
指導陣が不安を抱えていた4区、5区も乗り切り、最後は主将の治郎丸健一(東明高職)が入賞を決めた。井上監督は「練習から高校生を引っ張り、よくまとめてくれた」とねぎらった。
レースは指導陣が予想した5チームが5位までを占めた。5位長野とは9秒差。「欲を言えば一角を崩したかった」(井上監督)が、入賞圏外の9位熊本とも7秒差。紙一重の戦いだった。
大分はここ3大会は6位、9位、7位と一けた台を維持。中高一貫の指導、強化は確実に成果を挙げている。
大健闘中学生コンビ
中学生2人が大健闘。2区の大塚祥平(大分城南3年)は区間5位で13人抜き。6区の近藤修平(大東3年)は昨年2区で出走した経験を生かし、つなぎ役として貢献した。
今回チーム入りした中学生4人は、いずれも3000メートル8分台。ハイレベルな争いの中で出走しただけに、大塚は「タイム的には不満」、近藤は「区間賞を狙っていたので悔しい」と話した。
中学生担当の吉原裕智コーチ(院内中教)は「過去の大会では力を出し切れないことが多かったが、今年は2人ともよく頑張った」と表情を和らげた。
痛みに耐え 油布が力走
5区で区間6位だった油布郁人(東明高3年)。国内高校トップ級の力を持つエースは、左足首の痛みに耐えながら走り抜いた。
昨年末から違和感があり、広島入り後に痛みが増した。レース2日前は歩けないほどに悪化。指導陣は「出走取りやめも真剣に考えた」という。
懸命の治療で痛みが和らぎ、レース当日朝、出場を最終決定した。
「彼がいる、いないでは大違い。確実に走ってくれさえすれば…」。井上浩監督(東明高教)は祈るような思いで送り出した。
本来の走りには程遠かったが、役割は十分に果たした。「満足に練習できなかったのに、よく持ちこたえた。区間賞以上の価値がある」と井上監督。
油布は昨年の大会をインフルエンザで欠場。2年越しの思いもあった。「気持ちで押せることを学んだ」とホッとした表情を見せた。
治郎丸、意地の入賞死守
「もっとアピールできる走りをしたかったが…。いまいちですね」。それでも入賞圏内を守り、安堵(あんど)の表情が広がった。
主将でアンカーの治郎丸健一(東明高職)はレース後、指導陣とがっちり握手を交わした。
7位でたすきを受け、広島と6位争いが続いた。10キロ手前、追い付かれた長野の選手に揺さぶられて後退。熊本、三重との7位争いになった。「9位だけは避けたい」と力をため、ラスト500メートルで勝負した。
駒沢大で箱根駅伝に出場。卒業後は2年間のブランクを経て、昨年4月から東明高駅伝部コーチに。九州一周駅伝で新人賞を取り、一躍脚光を浴びた。「まぐれと言われぬよう、これからもプライドと高い意識を持って競技を続けたい」と話した。
郷土の味で結束
発着点近くの緑地帯には、各地の特産品が勢ぞろいする「駅伝ふるさとひろば」がお目見え。各県人会が郷土料理を販売したり、郷土芸能を披露してにぎわった。
大分県人会は団子汁、鳥天、麦焼酎、海産加工品などを販売した。
河村武会長(76)は「この駅伝は県人会にとって一大行事。会員の結束が深まります」。
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