
【大分―市西宮】後半39分、決勝ゴールを決める大分・牧寛=埼玉スタジアム
全国高校サッカー選手権第5日は5日、埼玉スタジアムなどで準々決勝の4試合を行い、県代表の大分と尚志(福島)が初めてベスト4に進んだ。四日市中央工(三重)は20大会ぶり、市船橋(千葉)は7大会ぶりの4強。7日の準決勝(東京・国立競技場)は、大分―市船橋(午後0時5分キックオフ)、尚志―四日市中央工の顔合わせに決まった。
大分は初出場の市西宮(兵庫)に3―2で逆転勝ち。東日本大震災で被災した尚志は、初出場の桐生一に3―1で快勝した。初出場組は全て敗退した。
20大会ぶりの優勝を狙う四日市中央工は浅野が4試合連続得点。中京大中京(愛知)と2―2からのPK戦を4―1で制した。
4度の優勝を誇る市船橋は矢板中央(栃木)を2―0で下した。
土壇場で強心臓
牧寛が千金弾
チームを国立競技場へ導くシュートを放ったFW牧寛貴(2年)は、公式戦初ゴールが値千金の決勝点となった。「みんな疲れていたので、自分がやってやろうと思っていた。最高」と声を弾ませた。
試合開始直後からベンチ裏でランニングをしながら出番を待った。後半35分、朴監督から「思い切ってやれ」とピッチに送り出された。
好機が訪れたのは試合終了間際の39分。FW武生秀人(3年)のパスを受けると、「練習の時からイメージしていた」という動きで、DFラインの裏へ抜け出た。出てくるGKの動きを冷静に見極め、右足でゴール左へ蹴り込んだ。「絶対に国立競技場へ行きたかった。その思いを込めて蹴った」と振り返る。
全国大会でプレーするのは小学生以来。土壇場で強心臓ぶりを発揮し、ラッキーボーイとなった牧寛は「ここまで来たら優勝したい。国立でもゴールを狙う」と決意を語った。
目標修正「V狙う」
ついに悲願の“国立切符”をつかんだ。大分が逆転勝ちで県勢初の4強へ進出。「国立競技場で戦う夢が目標に変わり、そして今、達成できた」。右足首を痛めながらプレーを続けたMF上野尊光(3年)は満面に笑みをたたえ、胸を張った。
「勝利を意識して動きが硬くなっていた」(DF若林喜史主将・3年)と言う前半、大分は受け身に回り、早い時間帯に2失点。DF清家俊(同)のヘディングシュートで1点を返し、迎えたハーフタイム。「最後まで走りきるぞ」。円陣を組み、気合を入れた。後半、選手は体を張って相手の攻撃を防ぐと、速く、力強くゴールへと突き進んだ。8分、左コーナーキックのこぼれ球をFW小松立青(同)が押し込んで同点。39分には途中出場のFW牧寛貴(2年)が勝ち越し点を挙げた。
「大分のパワーとスピード、そして闘志にやられた」。市西宮の大路照彦監督は、そう言って大分イレブンをたたえた。
チームのスローガンは“結束”。「今年は特にみんなの仲がいい」と選手は口をそろえる。現チームは3年の部員全員がベンチ入りしており、「3年を中心に選手の心が通じ合っているのを感じる」と朴英雄(パクヨンウン)監督は話す。さらに、DF道久拓矢(3年)は「サポートしている自分たち控え部員も一人一人が役割を自覚し、全員で同じ意識を持って戦っている」。
「全力で戦う」とDF清家。FW小松は「ここまで来たら優勝したい」と力を込めた。全国制覇を新たな目標に掲げた大分が、固い結束力で準決勝に挑む。
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