
会見する第三者調査委員会の吉田祐治弁護士(右)と青野浩志社長=31日午後、大分市横尾の大分FC本社
大分トリニータを運営する大分フットボールクラブ(FC)は31日、大分市内の本社で記者会見し、溝畑宏前社長(現観光庁長官)の経営責任を調査した第三者委員会の報告を明らかにした。「法的責任は追及できない」としながらも、手続きや対応に不備、問題があった役員報酬など約987万円の返還が必要と指摘。溝畑前社長はコメントを出し、大分FCへの貸付金(債権)の一部である1千万円を放棄する意思を示した。
大分FCの青野浩志社長と岩崎哲朗顧問弁護士、第三者委の吉田祐治弁護士、河野光雄公認会計士が会見。大分FCは2005年秋の経営危機で、県文化スポーツ振興財団から2億円の融資を受けたことから、調査は06年2月以降を対象とし、帳簿類の確認、関係者への聞き取りなどをした。
特に債務超過額が約6億円膨らんだ09年度を中心に行い、選手らの年俸増加、シーズン半ばの選手補強といった要因について検証したが、いずれも法的責任は追及できないとした。
役員報酬を調べたところ、07年4月、溝畑前社長の報酬を増額した際の手続きに不備があったため、退任までの増額分(計約905万円)の返還を求めることにした。
出張旅費では、ナビスコ杯の優勝(08年11月)以降、講演依頼が増えたが、依頼先からの入金が確認できない17件・計約81万円について返還が必要とした。
吉田弁護士らは「経営状態が悪い中、役員報酬を増額したのは疑問が残る」としながら「背任までは問えない」。粉飾決算の可能性を問う記者の質問に対しても「若干の数字のぶれはあるが虚偽はない」と否定した。
青野社長は「利害関係のない第三者委の結論を尊重していく。今後、より多くの支援をいただくため、これで決着が図れるものと考えている」と話した。
溝畑宏前社長の経営責任を調査した第三者委員会は、「法的責任は問えないが、手続きに不備があった」として、溝畑宏前社長に1千万円の返還を求めた。
大分FCはJリーグから6億円の融資を受け、経営再建中。これまでは溝畑前社長の経営手法に違和感があるとして、経済界の一部は支援に消極的だった。
会見で青野浩志社長は「より多くの支援をいただくため、これで決着が図れる」と話したが、この結論での幕引きに、県民の納得が得られるかどうかは分からない。
今季、J2で戦う大分は成績が低迷。スポンサーの獲得も苦戦し、観客動員もJ1時代の昨季からほぼ半減している。7月以降は招待事業にも乗り出しているが、思うような効果は出ていない。
今回一つのけじめをつけたのは事実だが、経営再建の足取りをより確かなものにしていくには、経済界や県民のさらなる支援が不可欠。そのためには、監督・選手らの一層の奮起と大分FCがガラス張りの経営を続けていくことが求められる。
「責任感じている」溝畑前社長
溝畑前社長は「J2降格、経営悪化を招いた結果、皆さまの期待に応えられなかったことに、道義的な責任を感じている。一刻も早い経営再生とJ1昇格を願い、私の貸付金(債権)の一部である1千万円を放棄させていただきます」とマスコミにコメントを寄せた。
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