
必勝祈願で皇甫監督や全選手が勢ぞろい=20日、別府市の八幡竃門神社
皇甫官(ファンボカン)監督体制で、8年ぶりにJ2で戦う大分トリニータの2010年シーズンが始まった。Jリーグから2億5千万円の追加融資を受け、1月末の借入金は約12億円。経営難の現状を踏まえ、信頼回復と「早い時期でのJ1復帰」を目指す。前へ歩き出したチームやフロント、支援の輪を追った。
「奇跡信じる」
J2リーグ開幕(3月7日)に向け、新戦力4人を加えたチームは19日に始動した。大分フットボールクラブがJリーグへ融資を返済し、実質債務超過10億円強を解消しなければ、3位以内でも昇格できない。プロ生命を懸けた選手は、経営難をどうとらえているのか。
大分で11年目のシーズンを迎えるFW高松大樹(28)は「3位以内に入ることしか考えていない」と力を込める。右足首の負傷で長期離脱した2009年にJ2降格。人前で初めて号泣し、ロッカールームで最後の一人になるまでシャワーも浴びず座り込んでいたという。
10年はフル出場を「義務」ととらえ、戦える体づくりに集中。「経営面ばかりが注目されるが、サッカーで最後に喜べるようにしたい。経営面は広瀬知事らの力に期待をし、自分たちは『1年頑張ったんだぞ』という結果を示すだけ。奇跡を信じるしかない」
「プロとして」
大宮を戦力外となった新戦力のDF村山祐介(28)は「サッカーをするチームがないのが一番つらい。お金は厳しいかもしれないが、サポーターやフロント、スタッフらは温かい。プレーに専念して、クラブを助けたい」という。
再契約したMF梅田高志(33)はJ2リーグ計116試合出場の経験がある。「昇格ができなくても、プロとして負けていい試合はない。J2のサッカーに慣れず(主導権を持った)戦い方が大事」とみる。
J1チームのオファーを断ったMF菊地直哉(25)は、日本代表としてアジア杯最終予選イエメン戦(6日)にも出場した。「新しくなったチームはやりがいがあり、責任感も生まれている。すべて前向きにとらえてやっていく」
選手数は22人でスタートしたが、韓国人大学生が練習生として参加。今後、予算の範囲内で層の薄いセンターバックなど最低2人を獲得するもよう。経営難の影響で強化に動きだすのが遅れたが「性格を含めてチームカラーに合う選手を探す」(吉岡宗重強化部長代理)としている。
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