大分のスポーツ

再出発、よみがえれ!トリニータ(9)

[2009年12月16日 10:06]

トリニータは大分市民から愛される存在。市はどう支援していくのか(10月28日に開かれた、おおいたホームタウン記念イベント=大分文化会館)

「市民の宝」どう守る 支援に頭抱える大分市 税投入、否定的な声も

活力の“象徴”
 「大分トリニータは市民の宝。J1に戻れるよう、どのように支援するのか」―。トリニータの本拠地がある大分市の12月定例市議会一般質問で、J2に降格が決まり経営危機にある大分フットボールクラブ(FC)=トリニータの運営会社=への支援策について質問が相次いだ。まちづくりを進める上でトリニータの存在感が年々増してきていただけに、市は支援の在り方に頭を悩ます。
 大分FCに対する市の本格的支援は、2005年に合併した旧野津原町所有の大分FC株を引き継いでから。本年度は合計1万2千人の市民無料招待試合や九州石油ドームのマルチビジョン広告など4200万円を支出した。
 市教委は選手を招いた小・中学校での交流給食を07年から実施している。児童・生徒の選手の歓迎ぶりは驚くばかりだという。
 昨年、Jリーグのヤマザキナビスコ・カップを初制覇した際には、市中心部の若草公園でセレモニーを開催。市民が多数集まる中、釘宮磐市長が市民栄誉賞を贈った。活力を示す“象徴”として、大分市の名前を全国に発信する役割に期待が高まっていた。
「募金で役に」
 市はトリニータの勢いを借りて、スポーツを通じた活力あるまちづくりに取り組もうと今年7月、大分商工会議所、各大学、スポーツ関係団体などで「おおいたホームタウン推進協議会」(会長・釘宮市長)を設けたばかり。
 ただ、トリニータだけを支援するのは限界もある。大分市ではトップリーグに所属する球団としてバレーボールの大分三好ヴァイセアドラー、フットサルのバサジィ大分なども活動している。トリニータ以外のチームの経営も楽ではない。「Jリーグから『あってはならない経営』と指摘された。原因が不明確なのに税金を使っての支援はあり得ない」=男性経営者(33)=といった、支援に否定的な意見もある。
 「大分トリニータを支援する県民会議」の発足を受けて釘宮市長は14日、記者会見した。有力選手が離脱する状況を指摘しながら「J1復帰に向けた選手のモチベーションを維持するため、募金の先頭に立って選手の不安解消に役立てたい」と強くアピールした。
 しかし、支援策を担当する小林知典市企画部長は「今後もこれまでの支援は継続する」としながらも、費用が掛かる追加支援について「チケット販売に積極的に取り組む」にとどめた。
 トリニータがJ1復帰するためには、融資の全額返済など資金面での課題クリアが条件だけに、行政としての支援の難しさが浮き彫りとなっている。

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