前半24分、フリーキックを決める大分・鈴木=18日、九州石油ドーム
鉄壁再び
Jリーグ1部(J1)第29節第1日(18日・カシマスタジアムほか=7試合)鹿島がマルキーニョスのゴールで京都に2―1で競り勝ち、勝ち点を53に伸ばして暫定で首位を守った。
大分は大分市の九州石油ドームでFC東京と対戦し、1―0で3試合ぶりの勝利。順位は暫定2位に上がった。大分は第30節第1日の25日午後3時から、兵庫県のホームズスタジアム神戸で神戸と対戦する。
川崎は清水に0―2で敗れて同48で4位。浦和も神戸に0―1で屈し同47で5位。G大阪は磐田に2―1で勝ち、千葉は新潟と0―0で引き分けた。J1残留争いで東京Vは大宮に1―0で競り勝ち、同35で前節の16位から暫定14位に順位を上げた。
リーグ戦今季初鈴木技ありFK弾
「けっていい?」。MF鈴木慎吾はフリーキックの場面で、左横に立ったFWウェズレイに尋ねた。「いいよ」。相手DFの位置を確認した“相棒”が快諾。鈴木は左足を素早く振り抜いた。無回転ボールは相手GKが反応できないまま、ゴールネットへ。今季リーグ初得点が貴重な決勝点となった。
ゴール直後、ベンチにいるGK清水圭介のもとへ一直線。3日に清水の長男が生まれたため「ゆりかごダンス」で祝った。「圭介が無回転フリーキックの練習に付き合ってくれた」と、感謝の気持ちをパフォーマンスに込めた。
終盤は1点を追うFC東京に攻め込まれ、守備一辺倒。自陣前に張り付けられたが”青い壁”ではじき返した。「耐えることには慣れている。粘り強さを思い出せた」(鈴木)「ほとんど危ない場面はなかった」(DF森重真人)。
横浜M戦(9月27日)、川崎戦(4日)と2試合連続で完封負け。その後の2週間、話し合いを重ねてきた。「コミュニケーションの勝利。公式戦17試合連続負けなしのときと同じ状態に戻れた」とシャムスカ監督。今季リーグ10勝2分け1敗の九州石油ドームで「大分らしさ」を取り戻した。
力取り戻した 大分トリニータ・シャムスカ監督の話
(近い順位の)直接対決に勝った価値は大きい。予想通りタフなゲーム。大分はスピード、球際の強さ、マークの強さで本来の力を取り戻した。(良好でない)グラウンド状況を考慮し、勝敗はセットプレーで決まると思っていた。
DF小林宏之(リーグ戦は第15節以来のフル出場)
「練習からしっかり準備ができ、冷静にプレーできた。周囲のサポートもあったので、役割はしっかり果たせた」
DF深谷友基(4試合ぶりの完封勝利)
「ミーティングで聞いた通りに相手が動く。冷静に対応できた」
韓昌祐(ハンチャンウ)マルハン会長(MVPの鈴木に賞金30万円贈呈)
「選手は家族のように伸び伸びしている」
夢へラストスパート
“試練”の県外5連戦を五分で終え、40日ぶり(リーグ戦は51日ぶり)にホームに帰ってきた大分。好調時の戦いぶりを取り戻し、優勝を懸けた”ラスト6”の初戦を見事に飾った。
対するFC東京も、試合前まで大分とは勝ち点差3の6位。「引き分けではだめな試合」(FC東京・城福浩監督)だった眼下の敵をたたき、優勝へのサバイバルレースに踏みとどまった。
大分はこの試合まで、実に4カ月ぶりの2連敗を喫していた。それだけに、MF高橋大輔は「ナビスコ杯決勝に向け、再びいい流れをつくりたかった。(不敗記録を続けていた時の)勝ち方を思い出せた」と、この1勝の価値をかみしめた。
3月上旬に始まったシーズンも、気が付けば最終盤。陸上のトラックに例えれば、最終コーナーを回り、ゴール前の直線に入っている。残り5試合のうち、ホームは3試合。だが、優勝を争う鹿島、名古屋との直接対決、さらに相性の悪い千葉との対戦を残し、しびれるような試合が続きそうだ。
この日の観客は今季2番目の2万2100人余り。多くのサポーターもチームと一緒に“夢”を追っている。県外5連戦の疲れを癒やし、充電を終えた大分のラストスパートを、一緒に見届けていきたい。
「ナビスコ杯優勝を」有志の会が壮行金
「大分トリニータをナビスコ杯で優勝させる中津有志の会」が試合前、大分フットボールクラブの溝畑宏社長(48)へ100万円を超す応援壮行金を贈った。中園功一代表世話人(38)は「中津市民は激しく燃えている。決勝(11月1日)で必ず勝利を」と激励した。
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