【大分ー清水】後半39分、清武が同点ゴールを決める
自慢の堅守にほころび
Jリーグ1部(J1)第20節(9日・埼玉スタジアムほか=9試合)鹿島が最下位の千葉に1―3で敗れたが、勝ち点35で首位を維持。浦和は柏と2―2で引き分け、2位。
大分は大分市の九州石油ドームで清水と対戦し、2―2の引き分け。ヤマザキナビスコ・カップ戦を合わせ、9試合連続で負けなし。順位は5位。大分は第21節第1日の16日午後7時から、新潟県・東北電力ビッグスワンスタジアムで新潟と対戦する。
【大分2―2清水評】
大分は清水に堅守を崩され、約4カ月ぶりに2失点。後半は本来の動きを取り戻し、同点に追いついた。前半25分、清水の速攻からFW原に先制された。同30分にはFW矢島に追加点を奪われた。反撃に出た大分は後半16分、FW高橋が相手DFがクリアしたこぼれ球をゴール正面からシュート。同39分には途中出場のMF清武が高橋からのパスを右足で振り抜いた。
大分にとって収穫もあったが、課題も浮き彫りになった一戦。それを裏付けるように、ピッチを引き揚げる選手は一様に複雑な表情だった。
大分は後半からFW森島康仁を投入。「ダイナミックで多彩な本来の攻撃ができるようになった」とシャムスカ監督。1点目はFW高橋大輔。相手DFのクリアミスを押し込んだ。「目の前にこぼれてラッキーだった」
2点目は途中出場のMF清武弘嗣が右足ボレーで決めた。左からのクロスを高橋が頭で落とし、アシストした。「流し込むだけだった。(浮かさないよう)抑えてしっかりコースを狙った」。リーグ初出場でのゴールに笑顔がはじけた。
この後も逆転を狙ったが、試合終了の笛。この日がリーグ100試合目の指揮だったシャムスカ監督は「勝ち点1に価値を見いだしたい」と前向きにとらえつつ、「勝ってもおかしくない内容だった」と無念さもにじませた。
リーグ1の堅守を誇る守備陣にややほころびが見えてきた。「清水はボランチの2人の頭上を越えていくボールをうまく使った」と原靖強化部長。上位の大分に対するマーク、研究はきつくなる。それをどう乗り越えていくか。大分に新たな課題が突きつけられている。
積極性欠いた
大分トリニータ・シャムスカ監督の話 難しい試合だった。前半は清水の攻撃が効果的で、大分は最後まで持ち込む積極性に欠けていた。後半は本来の攻撃ができた。ホーム無敗記録を更新できたことをプラスに考えたい。
MF金崎夢生(前線で何度もチャンスメーク)
「点を入れられてからスイッチが入るようではだめ」
溝畑宏社長(苦しい試合を引き分け)
「この時期で勝ち点32。2失点してもあきらめないスピリットは評価できる」
逆境バネに「成長」示す
一瞬にして輝いた。リーグ戦初出場のMF清武弘嗣(18)が投入6分後に同点ゴール。反撃の足掛かりをつくったFW高橋大輔(24)は1得点1アシスト。故障で長期離脱を経験した2人がそろって今季初得点を挙げ、大分を救った。
清武はユース時代にトップチームのグアムキャンプに帯同したが、不運の故障(左足)で1年を棒に振った。高橋は3月に左ひざを手術し、6月に復帰した。サッカー人生のどん底を味わい、恐怖心がすぐには抜けなかった。
試合後の2人は対照的な様子。まだ高校生のような笑顔で心底うれしがる清武に対し、高橋は「一つのスタートラインに立てた」と神妙な顔。「信じて走っていれば(絶好機が)訪れる」(高橋)と感覚を取り戻したよう。
大分は今季、故障者続出など相次ぐ困難に見舞われた。「逆境」をはね返す力はチームにも、個人にもある。スタンドでは負傷離脱中のFW高松大樹(26)、MF家長昭博(22)も観戦。試合後「僕はまだ先が長い」とつぶやいた家長も、復帰後の良いイメージができただろう。(運動部・坂本陽子)
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