大分県を代表する輸出農産品の日田ナシの輸出促進に向けて、JAおおいた日田梨部会(日田市)は2012年産の生産・出荷体制の強化に取り組む。台湾や中国での贈答シーズンの需要に対応するためハウス栽培を拡大するほか、輸出用ナシの専用貯蔵庫も新設する。福島第1原発事故の影響でストップしていた中国向け輸出が昨年末に再開できたこともあり、近年続いてきた輸出減少からの反転攻勢を図る。
日田梨部会が主に輸出している「新高」は、中秋節(9月中旬~下旬ごろ)や春節(1月下旬~2月中旬ごろ)の贈答品として人気がある。10月が旬の新高をこの時期の商品として出荷するため、12年産は中秋節用のハウス栽培について、11年産の約5倍となる60~70トンに拡大する方針。春節用は収穫後に約2カ月間保存するため、80トン分の貯蔵用コンテナを同部会の選果場敷地内に整備する。
営業活動も積極的に展開している。昨年8月から今年1月にかけて香港、台北、上海のスーパーや百貨店で販促PRを相次ぎ実施した。最も輸出量が多い台湾ではテレビ番組でも紹介された。昨年12月には上海のバイヤーが日田市内の生産現場を視察し、中秋節や春節以外でも取引を拡大する方向で話が進んだという。
県西部振興局によると、日田ナシの輸出は07年度産の163トンをピークに減少傾向が続いてきた。08年のリーマン・ショック後の世界的な不況、急激な円高、原発事故に伴う放射性物質への懸念など負の要因に見舞われ、11年度産は50トン台まで落ち込みそう。
伊藤巧部会長は「今は円高の影響が深刻。ウォン安と国策で輸出を増やしている韓国産との競争も激しいが、国内市場は今後縮小するので輸出拡大に向けた体制づくりは大事。将来は年間300トンの輸出量を目指したい」と話している。
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