
鳥インフルエンザの感染を防ぐため鶏舎前に石灰をまく養鶏場関係者=1月31日、日出町の鈴木養鶏場
高病原性鳥インフルエンザが大分市の養鶏場で発生して以来、2日で1年がたつ。県内は消毒徹底や野生動物の侵入防止といった防疫策のレベルアップに努めてきたが、寒波の襲来で日本に飛来する渡り鳥が増える可能性もあり、緊張感が高まっている。家畜伝染病予防法の一部改正(昨年10月施行)で、農家は通常時の備えの強化が求められる。経営環境が厳しさを増す中、県全体で防疫体制を徹底できるかが課題になる。
「国内でいつ爆発的な感染が起きてもおかしくない」。昨冬、宮崎県をはじめ全国で猛威を振るった鳥インフルエンザは、大分県内でも8千羽を殺処分する事態となり、経営規模が大きいほど危機感が強い。
鶏舎9棟で採卵鶏約14万羽を飼育する鈴木養鶏場(日出町)の鈴木明久社長(県養鶏協会長)は「もし出れば全て殺処分。未然にできるだけの対策は取りたい」と話す。国の助成事業を活用し、新たに鶏舎5棟で編み目が2センチ以下の防鳥ネットを張り巡らせ、養鶏場に出入りする車両の消毒噴霧機も1台導入した。
県は農家に防疫強化を促す助成事業の活用を呼び掛け、防鳥ネットは34戸、噴霧機は45戸で新たに導入が進んだ。県は「千羽以上の養鶏場はほぼ対応が終わった」と考えている。
ただ、100羽以上は約200戸。長引く不況や飼料高などで導入をためらう経営体力の弱い農家も少なくない。肉用鶏を飼育する40歳代の経営者は「助成があっても自己負担分(経費の5割)を出す余裕がない」と打ち明ける。
改正法は農家に対し、衛生管理状況の県への報告を義務付けている。県家畜衛生飼料室の吉武理室長は「農家の状況を把握しながら連携を深め、ウイルス侵入を防ぐ体制の底上げを図りたい」と話している。
<メモ> 2011年2月2日、大分市宮尾の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザの感染が確認された。鶏や卵の移動制限(当時半径10キロ)は3市、養鶏場10カ所(約32万羽)にまたがった。
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