
本年度末で廃止する方針が明らかになった豊後大野市民病院三重診療所=豊後大野市三重町
旧県立三重病院(豊後大野市三重町)と旧公立おがた総合病院(同市緒方町)の統合に伴い、「県立三重」を利用して2010年10月に開設した豊後大野市民病院三重診療所。本年度末で廃止する方針を決めた橋本祐輔市長は19日、廃止に関連する議案を3月定例議会に提出する考えを市議会全員協議会で説明した。市議からは開設後わずか1年半での廃止を決めた市への批判や、両病院の統合を打診した県の責任を問う声が上がった。
統合は医師不足などが理由。町村合併時に「県立三重」を存続させると県が約束した経緯から三重町を中心に反発は強かった。“難産”の末、県、市は「公立おがた」を主たる病院、「県立三重」を無床の診療所とすることを決めた。
開設後、診療所の利用者は低水準で推移。本年度の同診療所の1日当たりの平均患者数は5・4人。約4450万円の赤字が見込まれている。
全員協議会で坪山明寛市病院事業管理者は、廃止の方針を決めた経緯を説明。「市民の利便性を考慮して開設したが、このままでは本院の業務や医師の勤労意欲の低下を招く。廃止は苦渋の決断。市民や利用者に不安を与え、申し訳ない」と謝罪した。
市議からは「地域医療を公的機関が守るという強い思いがあったからこそ、市議会も赤字覚悟で予算を承認してきた」「県立三重病院時代も赤字が多く、医師の確保も困難だった。統合前からこうなるのは予測できたのでは」などと市の方針を批判する意見が出た。
診療所の施設整備をする際、県は補助金約5444万円を助成しており、広瀬勝貞知事は今後、返還を求めるかについて市と協議する考えを示している。この点について「県は町村合併前に、県立三重病院の存続を約束していたのに、一方的に統合を持ち掛けた。補助金は国の基金を活用したものであって、県の問題」と不満をあらわにする市議も。
橋本市長は「医師の確保ができ、十分な医療が展開できるようになるという前提で進めてきたが、今後の見通しも厳しい」と廃止について理解を求めた。
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