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植物遺伝子で分類出版 別府大荒金名誉教授

[2012年01月11日 10:31]

「新しい分類体系で県内の植物をまとめ直せた意義は大きい」と話す荒金正憲さん=別府市内の自宅

 別府大学短期大学部名誉教授の荒金正憲さん(86)=別府市照波園町=が、遺伝子情報に基づき県内の植物2922種類を再分類した「APG分類体系による大分県高等植物目録」を出版した。APGという新たな分類体系で地方の植物をまとめた本は全国的にも珍しいという。「進化の順序や植物同士の近縁関係が明らかになることで、植物の多様性を理解し、保全するための手助けになる」と話している。
 1989年に県植物誌刊行会が出版した「新版大分県植物誌」がベース。荒金さんは同会の事務局長として出版に携わり、その後も地道に研究を続けている。大分合同新聞文化賞を受賞しており、現在、県植物研究会顧問。
 従来は外見による分類を主眼に置いてきた。2年ほど前、APG分類体系の国内第一人者である邑田(むらた)仁・東京大学大学院教授と出会ったのをきっかけに、新手法を取り入れることにしたという。高等植物目録では、APG分類体系に照らし合わせながら、県内の被子植物を一つ一つ再分類。高等植物に分類されるシダ類と裸子植物も合わせ、県植物誌より650種類多い計3325種類を掲載した。
 絶滅の恐れのある「レッドリスト」(環境省、県)に入っている753種については、絶滅の危険度のランクを紹介したほか、海外からの帰化植物526種の侵入情報も盛り込んだ。
 荒金さんは「従来の分類方法では形態・形質を重視するため、見方によって分類上の位置付けが変わる可能性があった。大きく揺らぐことがないとされる新たな基準で、県内の植物を分類し直せた意義は大きい」としている。
 高等植物目録はB5判544ページ、3500円(送料別)。問い合わせ、購入は佐伯印刷(TEL097・543・1211)まで。

ポイント
 APG分類体系 遺伝子レベルでの解析を基に、進化の道筋を目、科、属などに系統立ててまとめた分類方法。世界中の研究者でつくる「被子植物系統研究グループ」(APG)が1998年、被子植物の分類体系を発表した。

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