大分みらい信用金庫(本店・別府市)と大分信用金庫(同・大分市、だいしん)が今年、そろって90周年を迎える。1922(大正11)年の創業以来、ともに地域の商店など中小業者を育てる役割を担ってきたが、長引く景気低迷や事業環境の変化で苦境に立つ取引先が増えている。金融業界の競争も激しさを増す中、原点の地域密着をさらに強化して存在感を高めようとしている。
信用金庫は出資会員の相互扶助を目的とした協同組織。事業活動に制約のない銀行とは異なり、取引対象は特定地域の中小業者と個人に限定されている。
県内には約20年前まで10庫あったが、金融自由化に伴う相次ぐ経営破綻で10年ほど前に大きく再編。現在は別府や大分、県北を地盤とする大分みらい、大分や県南をカバーするだいしん、日田地区の日田信用金庫の3庫になっている。
いずれも取引先は商店街の個人商店や小さな町工場などが多く、近年は景気低迷や経営者の高齢化で廃業や事業縮小が増加傾向。県全体の市場が縮んで銀行と競合するケースも増え、融資を伸ばしにくくなっているのが共通の課題だ。
環境の変化に対応するため、大分みらいは中小業者の支援に加えて、個人客の取引拡大に力を入れる。関啓二理事長は「金融だけでない、きめ細かなサービスを提供していく。例えば、介護や年金の相談などで高齢者の悩みを解消したい」と、100周年に向けた方向性を示す。
だいしんの山上博資理事長は「厳しい時代だからこそ、小さな会社を支える本来の役割が問われる。今後も『迷わず信用金庫』の理念を果たす」と強調。今年、創業者の祖父から3代世襲した理事長職を生え抜き職員にバトンタッチする。新体制の下、地域との絆を深めていく考えだ。
【大分みらい信用金庫】36店舗。一般企業の売上高に当たる経常収益は72億7500万円(2011年3月期)。11年9月現在の預金残高は3399億円、貸出金残高は1738億円。
【大分信用金庫】29店舗。一般企業の売上高に当たる経常収益は39億9800万円(11年3月期)。11年9月現在の預金残高は1977億円、貸出金残高は871億円。
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