受け入れ可能人数、わずか1%
災害時に支援が必要な要援護者を受け入れる福祉避難所。指定しているのは県内18市町村のうち10市町村にとどまっている。指定施設は高齢者施設や障害者施設、病院など105カ所で、受け入れ可能人数は2237人。県内の要援護者は約20万人とも推計されており、約1%しか受け入れられない状況だ。
民間、余力確保に難
福祉避難所は、高齢者や障害者、妊産婦、乳幼児、病人ら避難所生活で配慮が必要な人を災害救助法に基づき、受け入れる施設。耐震性のある建物で、原則バリアフリーなどの要件があり、専門のスタッフが支援に当たる。民間施設を指定する場合は、各自治体が協定を結んで、万一の災害時に利用する。
県地域福祉推進室は、整備が進まない背景を「多くの施設は、ぎりぎりの状況で運営している。人手や物資、スペースなど災害に備えた“余力”を確保するのが難しいようだ」と分析。学校や公民館なども福祉避難所に指定できるが、国のガイドラインに基づき、障害者用のトイレの整備などが必要で簡単には進まないという。
東日本大震災では、長引く避難生活の中で福祉避難所の必要性がクローズアップされた。福島県いわき市で支援活動をした県社会福祉協議会の安部信吾・施設支援課長は「避難所の環境になじめない知的障害者が大声を出し、その家族が他の避難者に遠慮して、車中で過ごすようなケースもあったらしい。集団での避難生活が難しい認知症の高齢者もいた」と被災地での課題を指摘する。「災害発生後、支援物資や必要な情報が集まる避難所の役割は大きい。専門に介護を担ってもらえる福祉避難所があることによって、要援護者はもちろん、一般の避難者への負担も減らすことができる」と強調する。
同室は「災害時に急きょ受け入れ態勢を整えるのは難しい。厳しい避難所生活によって、災害関連死を招くことがないよう整備が必要」とし、本年度中に全市町村で最低1カ所は指定するよう目標を掲げている。
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