
「いのちの授業をもう一度」が掲載された「月刊フォアミセス10月号」を手にする漫画家の三谷美佐子さん=神奈川県内の自宅兼アトリエで
【東京支社】乳がんと闘いながら全国各地で「いのちの授業」を続け、2008年11月に亡くなった豊後高田市の元養護教諭、山田泉さん(享年49歳)の著書「『いのちの授業』をもう一度」(高文研)が漫画化された。作者は神奈川県横須賀市の漫画家三谷美佐子さん(53)=本名・斉藤美佐子。漫画雑誌「月刊フォアミセス10月号」(秋田書店)に掲載された。
原作との出合いは偶然だった。10年11月、漫画の題材を探しにふらりと立ち寄った書店で「ふっと手に取った」。夢中で一気に読んだ後、「山田さんが大好きになった。絶対この話を描きたい」と思ったという。
山田さんは00年に乳がんを発症。01年、大分県内で初めて乳がん患者の会「オードリーの会」を発足させた。生きる意味を考えたい―とさまざまな講師を学校に招いて「いのちの授業」を始めたほか、自身も県内外の学校などで講演を続けた。
三谷さんは温かみのあるタッチで山田さんと生徒との心の触れ合い、家族の絆などを4カ月かけて100ページの作品に仕上げた。計り知れないつらさを抱えながらも、生徒や家族、周囲の人たちと懸命に向き合う姿に心を動かされ、ペンを走らせた。普段は40ページ程度の短編が多いが、「山田さんのぶれない思いに突き動かされ、スムーズに描くことができた」と話す。
今年6月、初めて豊後高田市を訪れ、山田さんの墓前に「あなたのことを描かせていただきました。ありがとうございます」と手を合わせた。
三谷さんは「(漫画化に)山田さんがそっと背中を押してくれたような気がする。懸命に生きた彼女の人生を、一人でも多くの人に知ってほしい。私も山田さんから力をもらった。原作に出合えて良かった」と笑顔を見せた。
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