
家畜防疫マップの画面を指さしながら、システムの特徴を説明する日建コンサルタントの吉田靖社長
鳥インフルエンザや口蹄(こうてい)疫など家畜伝染病のまん延を防ぐため、測量の日建コンサルタント(大分市、吉田靖社長)が開発した家畜防疫マップシステムが、行政関係者の注目を集めている。感染が出た際の初動対応を地理情報システム(GIS)で大幅に迅速化できるのが特徴。導入済みの大分県では“実戦”で効果を発揮。畜産では日本最大の鹿児島県も昨年度から採用している。
感染拡大の防止には、鶏や牛など対象となる家畜の移動を迅速に制限することが鍵になる。マップはパソコン上のデジタル地図に、畜産農家の位置をはじめ、農家ごとの飼育頭数や場内配置図といった情報を表示。発生場所を中心とした同心円の移動・搬出制限区域を簡単な操作で設定できる。
大分県は2004年、県内初の鳥インフルが発生した際、机上の地図に円を描いて移動制限がかかる農家を特定する作業に3日を要した。その教訓を踏まえて06年度にマップを導入。鳥インフルが多発した昨冬は「自治体との調整を含めて数時間で制限区域の設定作業ができ、封じ込めにつながった」(県家畜衛生飼料室)という。
地図に航空写真を重ね合わせる機能があり、発生地周辺の詳細な地形を把握しやすい。消毒ポイントや殺処分した家畜の埋却処分地の場所決めにも有効で、防疫体制を一元管理できる。
近年は鳥インフルや口蹄疫が国内外で頻繁に発生。昨年、隣県の宮崎県で起きた口蹄疫は地域経済に甚大な打撃を与えるなど、大分県の畜産業にとっても脅威となっている。
吉田社長(45)は「家畜伝染病は対応が遅れると壊滅的な被害につながる恐れがある。測量会社のノウハウを最大限に生かしたシステムを畜産業の振興に役立ててほしい」としている。
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