
月に1度の読書会で意見を交わし、知識を高めあう「児童文学と科学読物の会」の会員ら=7月、大分市上野
子どもの読書活動に貢献したとして、大分市を拠点とする読書グループ「児童文学と科学読物の会」が本年度の「子どもの読書活動優秀実践団体(個人)」(文部科学大臣表彰)に輝いた。公民館や図書館などで長年、「科学あそび」を交えて科学読み物の紹介を続けてきたことが認められた。代表の辛島泉さん(72)=同市中尾=は「これからも科学を通して子どもたちの世界を広げていきたい」と意気込んでいる。
同会は、大学工学部で化学の研究に携わった経験もある辛島さんが1991年、科学の面白さを子どもに伝えたいと発足。活動は口コミで広がり、当初2人だった会員は現在、約60人に広がっている。
会員たちは公民館などに招かれ、科学読み物について講演したり、「科学あそびの会」「わくわく広場」などとして実験を通して科学読み物を紹介。昨年は40回以上開催し、県外に出掛けることも多いという。
科学あそびでは牛乳パックでカメラを作ったり、カメラのフィルムケースで万華鏡を作るなどする。その後、実験に用いた科学の原理や応用などが分かる本を紹介。体験と読書を組み合わせることで、科学好きの子どもを育んでいる。
毎月1回、会員同士の読書会もあり、課題書を決めて読み、意見を述べ合う。子ども向けの本から専門書までと幅広く、7月上旬に大分市内であった読書会では福島第1原発事故を受け、原発をテーマとした本を取り上げた。
表彰式は10月29日に仙台市である。「活動が続いてきたのは、好奇心旺盛で行動力のある会員たちと、自由で活発な意見が出せる雰囲気のおかげ」と辛島さん。原発事故を通して国民にある程度、科学への理解と応用力が必要だとあらためて感じたとして、「子どもたちが科学に興味・関心を持ち、科学について自分なりに判断ができる人間に育ってほしい」としている。
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