大分県企業局は大地震などで大分市臨海部の工業地帯への送水ルートが寸断した場合に備え、既存のルートをネットワーク化し、相互補完させる事業に取り組む。当初は大規模なバイパス建設を計画していたが、送水施設全体の老朽化が進む中、企業の「ライフライン」である送水網全体をカバーでき、施設の保守点検も可能になる方法に変更した。事業費もバイパス建設に比べ、50億円節約できる見込みという。
県企業局は新日鉄大分製鉄所をはじめ43社への工業用水と大分市の上水道を合わせて日量最大62万4千トンの水を供給している。計画では、送水管が通る市臨海部の県道大在大分港線(40メートル道路)などにポンプ施設を設置し、大野川流域の大津留浄水場にあるポンプは大型化する。判田取水場と大津留浄水場の間には送水用のバイパス(約3・6キロ)を新設する。
災害が発生し、ルートの一部が損傷した場合はポンプを使って損傷場所を迂回(うかい)させて送水したり、下流から上流に流すことで、企業の生産活動に支障が出ないよう供給を続ける。東日本大震災を受け、県が見直しを始めた地域防災計画に対応した地震や津波、浸水対策を講じる方針で、ポンプ施設への非常用発電機の設置も検討する。
ネットワーク化することで、ルートの一部で送水を止め、保守点検や補修工事を実施することも可能になる。企業局工務課は「企業の産業活動を守ることに加え、施設の長寿命化にも効果が期待できる」としている。
総事業費は約90億円の見込み。企業局は当初、約140億円をかけて送水量が多い判田~小池原送水トンネル(約8・3キロ)のバイパス建設を予定していたが、ネットワーク化でバイパス新設区間が短縮することなどから事業費は大幅に圧縮される。本年度は基本設計をして早ければ2014年度にも工事に着手。2018年度完成を目指す。
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