大分のニュース

観衆うっとり 新作薪能「若木の桜」

[2011年05月23日 09:29]

新作薪能「若木の桜」で主人や息子を戦争で亡くし、悲しむ老女(谷村育子)と子方(一宮礼維さん)=22日夜、大分城址公園特設舞台

 大分合同新聞創刊125周年記念・新作薪能「若木の桜」が22日、大分市の大分城址公園特設舞台であった。大分合同新聞と国際ソロプチミスト大分―みどりが主催したもの。
 最初に県内で能楽を学ぶ子どもたちが「春日竜神」「殺生石」などを披露。源平の合戦で源氏に敗れて柳ケ浦で入水した平清経の無念を描く「清経」を観世銕之丞(かんぜてつのじょう)らが演じた。
 護国神社の小野日隆(ひたか)宮司、工藤幸子国際ソロプチミスト大分―みどり会長らが会場の2カ所で火入れ式を執り行った後、いよいよ「若木の桜」の開演。
 「保戸島大空襲」など、太平洋戦争で犠牲になった若者たちを題材にした創作能。シテは制作者でもある大分市在住の能楽師・谷村育子(菩薩(ぼさつ))、ワキは館田善博(僧侶)が務め、若木の桜の元に次々と現れて苦しみを訴える子どもたちの霊を手厚く弔った。大分大学付属小3年の一宮礼維(れい)さんが子方(ムッちゃん)で好演した。
 灯籠にかがり火が揺れる幽玄の世界に集まった約1800人の観衆はうっとり。若者たちが死んでいった過去と現世、来世を舞台と一緒に行き来しながら、平和への願いを新たにしていた。
 また、狂言はおなじみの「棒縛(ぼうしばり)」。太郎冠者を野村萬斎、次郎冠者を大分市出身の深田博治が務め、ユーモアたぷりのせりふと動作で会場を笑わせた。最後に馬野正基がシテで「高砂」を舞って締めくくった。

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