
耐震化のため新築している国東市民病院=19日、国東市安岐町
地震や津波などの大規模災害時に傷病者を受け入れる県内の災害拠点病院12カ所のうち、国が定める耐震基準を満たしているのは9カ所。現在、残る3カ所の耐震化に向けた計画・工事が進んでおり、県によると2013年度までに、全ての災害拠点病院の耐震化が完了する見通しだ。県医療政策課は「災害時に医療機関が担う役割は大きい。万一への備えを着実に進めたい」としている。
災害拠点病院は基幹災害医療センターと位置付けられる県立病院を中心として、大分赤十字病院や新別府病院、県済生会日田病院など、県内の6医療圏ごとに1~4カ所が設置されている。各病院は、自家発電装置や、大型の水タンクなどを備え、災害によってライフラインが途絶えても、患者を受け入れ、治療ができるよう整備されている。
地震災害の際、医療提供の前提となるのが、病棟の耐震性。東日本大震災では強度不足の病棟が壊れ、傷病者を受け入れることができなかった事例も報告されているという。
同課によると、現在、県内の災害拠点病院で耐震性が不足または不明なのは▽国東市民病院▽中津市民病院▽健康保険南海病院(佐伯市)の3病院。いずれも老朽化が激しく、国の財政支援を受け、耐震性を高めた病棟の新築を計画。国東と中津は既に着工し、南海も本年度末に着工予定。3病院とも13年度までに、工事を終える予定。
同課によると、県内の災害拠点病院の病床数は合計で約3200床。うち9割は常時、使っているため、被害が大規模で、避難が長期化する今回の震災のようなケースでは「慢性疾患の患者の受け入れなどが増え、災害拠点病院だけでは受け入れきれない恐れもある」(同課)。県は、拠点病院以外でも耐震化を進めるため、補助制度の活用などによる施設整備を各病院に呼び掛ける。
震災の被災地の病院では、必要な物資や医薬品などの情報を十分に伝えられなかったとされる。同課は「被災した場合に人員を確保して、必要な情報を発信するため、国や周辺自治体との連携方法や、災害時の“応援部隊”の受け入れ態勢の構築を検討したい」とし、ソフト面の充実も努める考えだ。
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