
耶馬渓の景観を再生させるため、雑木の伐採を行う作業員=中津市耶馬渓町
国指定名勝「耶馬渓」が間もなく紅葉シーズンを迎える。中津市は昨年度に引き続き、天然の奇岩群に生い茂った雑木を伐採し、往年の景観を取り戻す景観再生事業を進めている。昨年の紅葉シーズンには観光客が増えており、同市は「今年も再生した景観を目当てに、多くの観光客が訪れるのでは」と期待している。
名勝「耶馬渓」は、溶岩台地の浸食によってできた奇岩と山の形が独特の景観をつくっており、毎年紅葉シーズンを中心に多くの観光客が訪れている。
近年は木材価格の低迷や森林所有者の高齢化の影響で、奇岩に雑木が茂り、岩肌が見えない場所が増加、景観を損なっている。雑木が奇岩に根を張ることで、岩石が崩壊する可能性も指摘されている。
同市は文化庁長官と県知事の許可を得て、昨年度から名勝に指定された1923年ごろの景観を再生する事業を始めた。森林組合などに作業を委託し、昨年度は「古羅漢の景」(本耶馬渓町)など3カ所(計約3・7ヘクタール)を約1100万円かけて整備。市のホームページなどでPRしたところ、「一目八景」(耶馬渓町)周辺では、昨年11月の観光客数は31万4千人で、前年比3・2%(約千人)増えたという。
本年度は約2200万円かけて6カ所(計約3・8ヘクタール)を整備。紅葉シーズンを前に「深耶馬渓および麗(うつくし)谷(だに)の景」(耶馬渓町)の中の鳶(とび)の巣岩(約1ヘクタール)と若山(約0・5ヘクタール)の2カ所を整備。11月上旬には同町の「伊福の景」(約1・4ヘクタール)も終わる予定。残る3カ所はシーズン後に実施する。
同市は「紅葉の最盛期は11月中旬。ぜひ一度足を運んで、美しさを取り戻した景観を堪能してほしい」と話している。
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