
高品質のコンクリート混和材を生産するゼロテクノジャパンの工場。大きなドラム状の機械が再加熱装置=豊後大野市犬飼町
火力発電所や製鉄所から排出されるフライアッシュ(石炭灰)を独自の技術で再処理し、コンクリートの耐久性を高める高品質の混和材として商品化する新事業がスタートする。大分県内のベンチャー企業と建設会社が共同出資したゼロテクノジャパン(大分市、隈田英樹社長)が生産・販売。石炭灰の処分や活用は世界的な課題となっており、有効利用と建造物補強の両面から注目されそうだ。
同社は、新技術を研究開発した大分大学発のベンチャー企業、ゼロテクノ(大分市、岡田秀敏社長)と、資金援助をした西日本土木(豊後高田市、隈田社長)が今年3月に設立。
新日鉄大分製鉄所(大分市)からフライアッシュを受け入れ、豊後大野市犬飼町に建設した工場で11月から生産を始める。生産目標は当初は年間5千トン。設備増強により2万トンまで増やす方針。また、より生産能力の高い工場を、九州電力などの大型火力発電所がある長崎県松浦市に設置する計画も進めている。
フライアッシュを混ぜたコンクリートは化学反応を起こして耐久性を増すことが知られている。しかし、灰の燃え残りの未燃カーボンが品質の安定を妨げるため、普及が進んでいないという。同社が開発した再加熱装置により、未燃カーボンを燃焼させて含有率を1%以下にまで削減。良質な混和材の量産を可能にした。実証プラントで作った製品は熊本、佐賀両県の高速道路工事に使われている。
隈田社長は「コンクリートを長寿命化し、環境への負荷軽減にもつながる。大分で生まれた技術を広めていきたい」と話している。
<ポイント>フライアッシュ 石炭の燃焼で生じる石炭灰のうち約9割を占める粉じん状の灰。資源有効利用促進法の指定副産物で、火力発電で大量の石炭灰を出す電力会社に再利用の取り組みを求めている。石炭エネルギーセンター(東京都)によると、2008年度の石炭灰の発生量は全国で1229万トン。約7割は粘土の代替物としてセメント原料に、約1割は海水面の埋め立てに使われた。
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