
斎藤正明さん(左)が船長の矢内治典さんを訪問し出版報告
津久見市保戸島のマグロ船に乗船した体験をまとめた斎藤正明さん(34)=東京都立川市、作家・講演業=の漫画随筆集「マグロ船で学んだ人生哲学」(B5判・165ページ)が全国的に話題となっている。斎藤さんは保戸島などを訪れ、元船主の矢内洋一さん(64)らに出版を報告し、旧交を温めた。
斎藤さんは企業研究者として鮮度保持剤を開発するため、保戸島鮪延(まぐろはえ)縄漁業船主組合所属の「第一号東丸」(68トン、矢内洋一船主、8人乗り組み)=船名、肩書などは当時=に2001年、43日間、同乗した。
同書は船酔いに苦しみながら、赤道海域で操業する船頭、船長、機関長、コック長ら乗組員との交流を「ボクの生き方を変えた漁師たちとの一問一答集」の形で、22話にまとめ、講談社から7月に出版した。人生での決断、目標、信頼を得る方法など社会生活に通じるものが多く、行間から漁師たちの勇敢で温かい心が伝わってくる。
同書に親方として登場し「周りの空気が引き締まる」とされた矢内洋一さんは「小説を書くというので、ありのままを書けとアドバイスした。面白い本になっている。これからも頑張れ」、船長の矢内治典さん(54)は内航船の船長に転身している。「当時の経験が生かされている。マグロ船を経験すれば陸上では大概のことはできる。本人も成長している」と話した。
斎藤さんは乗船をひとつの契機に退社し、独立。「不便で狭い船内での人間関係は、一般社会よりむしろストレスが少ない。こうしたマグロ船の男たちの知恵と工夫を仕事を通じて広め、生かしていきたい」と話している。
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