
中世大友府内町跡の発掘現場から出土したガラス製品の一部。「極めて珍しい。ワイングラスなどの酒器ではないか」と推測されている=22日、大分市錦町
大分市の「中世大友府内町跡」の発掘調査現場で22日、黄色のラインが入った緑色のガラス製品の一部が見つかった。県教委埋蔵文化財センターは「全国的にも極めて珍しい出土品。南蛮貿易で入ってきたワイングラスなどの酒器ではないか」と推測、専門家に分析を依頼する方針だ。県教委が1999年度から進めてきた発掘調査は10月末でほぼ完了。豪華な茶道具や陶磁器なども出土しており、国際貿易都市として栄えた当時の様子がうかがえる。
ガラスは同市錦町で見つかった。永禄年間(16世紀後半)に瓜生島へ移転したとされる「称名寺(しょうみょうじ)」があった場所で、移転後は屋敷が立っていたとみられている。多数の貝殻とともに一片が数センチの破片計3点が出土し、「一緒に捨てられたのではないか」と同センター。
過去の調査で皿などのガラスは数点見つかっているものの、「これほど薄手で色や模様が入ったものはなかった。分析はこれからだが、出土品の中でも間違いなくトップクラス」と“お宝”の発見を喜ぶ。
現場一帯からは、わらじやざるなどの生活道具のほか、真ちゅう製の茶道具「灰匙(はいさじ)」、きらびやかな「金襴手(きんらんて)」と呼ばれる明(みん)時代のわん、金箔(きんぱく)などが相次いで出土。東南アジア産の陶磁器もあった。
調査を担当する同センターの小柳和宏主幹(総括)は「全国に戦国時代の城下町は数あれど、これほど当時のまま残されている遺跡は少ない」と指摘。「南蛮貿易で日本にもたらされたものが、府内の町でも大量に消費され、お茶を中心とした当時の最先端の文化が花開いていたことがうかがえる」と話す。
来月3日に説明会
県教委埋蔵文化財センターは10月3日午前11時から、大分市錦町の発掘調査現場で「現地説明会」を開く。出土品をプレハブ内に展示する。市教委も午前9時半から、近くの大友氏館跡で現地説明会を実施。問い合わせは同センター(TEL097・597・5675)、市教委文化財課(TEL097・537・5639)。
<ポイント>中世大友府内町跡
九州北部を治めた大友宗麟(1530~87年)の館跡などを中心とした戦国時代の城下町遺跡。館跡と万寿寺跡は「大友氏遺跡」として国史跡に指定され、大分市教委が発掘調査中。市は将来、史跡公園として整備する方針。周辺は国道10号拡幅工事などに伴い、県教委が調査している。
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