県の民俗芸能「豊後万歳」を継承する「豊後万歳保存会」(岩下恒之会長)は、19日に国東市の弥生のムラであった「弥生のムラくにさき古代祭り2010」に出演し、同市の継承者だった故・坂本達美さんの妻、マサカさん(94)と共演した。久しぶりに国東半島に万歳のおはやしが響き渡った。
国東半島が発祥の地とされる豊後万歳は「豊後初春寿万歳」といわれ、正月には「囃子手(はやして)」と「舞手(まいて)」の2人一組で家々を回っていた。達美さんは東京の国立劇場で演じたこともある継承者で、1996年に81歳で亡くなった。
達美さんに師事して玖珠郡で演じている同保存会の藤原三治さん(59)が「師匠への恩返しに、発祥の地で再び万歳を演じたい」と囃子手をしていた妻のマサカさんに共演を持ち掛け、この日を迎えた。
以前は敬老会などで演じていたこともあるマサカさんだが、久しぶりの舞台とあって本番を前に「胸がドキドキする」と緊張の面持ち。藤原さんは、達美さんから譲り受けた形見の鮮やかな青い着物を身に着け舞台に立った。
マサカさんがテンポよく太鼓をたたくと、その調子に合わせて藤原さんが大きく体を動かしながらリズムよくせりふを口にした。
「銀たち、姫だこ、七島イなんどが宝で」と市の特産品などを盛り込んでアレンジしたせりふを披露し、「今に伝わる修正鬼会(しゅじょうおにえ)」「大分ん空港から観光のお客がどっさりこられりゃ、これがまた、めでたい」と福を呼び込んだ。会場と一緒に「万歳! 万歳!」の掛け声で盛り上がった。
藤原さんが語ったせりふの中には「国東に生まれた豊後の万歳」「万歳の灯(あか)りを再び」と、国東半島で復活してほしいという思いも込められていた。
舞台を終えたマサカさんは「無事に、しっかりと演奏できて良かった。主人も見てくれたと思う」と感慨深げに話していた。
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