世界的に太陽電池の生産量が激増する中、円高で大分県内の太陽電池参入企業が厳しい価格競争を強いられている。チャンスが拡大する見通しのアジア市場で競合するのは、金融不安を背景にユーロ安の欧州のメーカー。県内企業は不利な状況を克服するため、韓国や台湾の現地企業に生産委託するなどの対応を急いでいる。
かつてシャープで液晶開発などに携わっていた立命館アジア太平洋大学(APU)の中田行彦教授によると、世界の太陽電池生産量はここ数年、飛躍的に増えている。2008年の生産量は発電能力換算で約7千メガワット。07年比では約90%もの伸びを示した。
「九州は地理的に近く、生産量が今後も急伸する韓国、台湾などが製品の主要な出荷先の一つ。それだけに円高の影響をまともに受けている」と同教授。
状況を一層厳しくしているのがユーロ安だ。太陽光発電などクリーンエネルギーを高値で買い取る制度「フィード・イン・タリフ」の導入国が多い欧州には、ドイツをはじめ優秀なメーカーが多いという。
太陽電池の検査装置などを製造・販売するデンケン(由布市)、製造装置を開発するワイエイシイ(YAC、本社・東京)の大分工場(大分市)は共に、「ドル換算の見積額は、競合する欧州メーカーより3~4割高くなってしまう。この開きは小手先のコスト削減努力ではどうしようもない」と話す。
政府・日銀の為替介入でやや円安に戻してはいるものの「年度当初の想定レートよりはずっと高い水準」(YAC)。いずれも、韓国や台湾で技術力の確かな加工メーカーや組立工場を探し、急ピッチで生産委託を推進する。「状況は厳しいが、信頼の高い日本の技術の優位性を守り抜くことで(自社の)太陽電池関連事業を順調に拡大させたい」と意欲を見せた。
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