
たばこの値上げを前に、喫煙者たちの思いは複雑だ=17日、大分市のJR大分駅前
たばこの値上げ(増税)まで2週間を切った。大幅な値上げに、愛煙家たちは大きな“決断”を迫られている。大分合同新聞は県内の喫煙者100人に、胸中でくすぶらせている思いを聞いた。あなたは値上げをどう思いますか? これを機にたばこをやめますか、それとも吸い続けますか―。
「値上げ前にやめなさいと妻にくぎを刺されて…」。健康志向の高まり、公共スペースで進む分煙に加え、10月からのたばこの大幅値上げ。大分合同新聞のアンケートでは、禁煙を考えている人は100人中52人に上った。
「自分の体のことも考えて、やめようかな…」。大分市の会社員男性(34)は同市中心部のデパート屋外に設置された小さな喫煙スペースで、紫煙をくゆらせながらつぶやいた。
値上げを機に「禁煙する」「できればしたい」と答えた52人のうち、理由として経済的な負担を挙げたのは33人、自分の健康を挙げたのは29人(複数回答あり)。同市内のパート女性(31)は「将来妊娠したとき、子どもに悪影響が出ることが心配」と話す。
どうやって禁煙するのか。▽強い意志で我慢する 19人▽電子たばこなど禁煙グッズを使う 9人▽徐々に吸う本数を減らしゼロにする 7人▽禁煙外来に通う 5人…。「ライターも灰皿も全部捨てる」=大分市の会社経営女性(70)=と外堀を埋めようとしている人もいた。
対して、吸い続けるという決意も固い。九重町の自営業男性(52)は「昼食代を削ってでも続けます」。喫煙歴15年という別府市の自営業男性(35)は「もうやめられない。1日20本を10本にして続ける」ときっぱり。「年金生活なので正直厳しい。でも、おいしいのでやめません」と話すのは大分市の主婦(66)。
では、1箱いくらになればやめるだろうか。▽500~600円台 6人▽700~800円台 3人▽千円 11人▽2千円 2人▽5千円 3人。「いくらになっても絶対にやめない」と答えた人も5人いた。
“愛煙家包囲網”は着実に狭まりつつある。
別府市の自営業男性(45)は「時代の流れで仕方ないとは思うが…」。日出町の看護師女性(32)は「世間の目は厳しくなる一方。ほっといてほしい」とぼやいた。
(報道部・平尾将俊)
<ポイント>たばこ増税
増税は2006年7月以来、4年3カ月ぶり。値上げのうち、増税額は1本当たり3・5円、1箱では70円。たばこの消費抑制による健康促進と、税収の増加が目的。財務省によると、本年度は530億円の増収を見込んでおり、一般財源に繰り入れられる。増税とは別に、メーカー側の値上げ分も加わり新価格となる。
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