
厚生労働省が今年2月から始めた「新卒者体験雇用事業」のチラシ
不景気の影響で就職が決まらないまま学校を卒業した人が全国的に増えたことを受け、厚生労働省が今年2月から始めた「新卒者体験雇用事業」。1~3カ月の体験雇用を通じて正規雇用につなげるのが目的だが、県内の利用者は1人にとどまっている。大分労働局は「事業の認知度不足が原因。よりPRに力を入れたい」としている。
大分労働局の調べでは、県内の今春の卒業生で就職が決まらなかったのは高校生が87人、大学生・短大生と専門学校生が335人(3月末現在)。「県内の雇用情勢は回復していないことから、まだほとんどの人が就職できていない可能性が高い」とみている。
現在、県内各地のハローワークに出ている体験雇用の求人は、製造業や接客業など約120件。これまで10人ほどが希望したものの、企業の採用試験をパスせず、利用者ゼロの状態が続いていた。このほど1人が試験に受かり、今月2日から大分市内で働きだした。
一方、県や国の同趣旨の事業には学卒者が集まっている。厚労省の「若年者等トライアル雇用事業」や「実習型雇用支援事業」(いずれも年齢制限なし)は、学卒者60人が利用。卒業5年以内の人が最長10カ月の就業体験をできる県の「若年者就業体験支援事業」は今春卒業者8人を含む18人、中小企業で最長6カ月の体験実習が可能な経産省の「新卒者就職応援プロジェクト事業」は16人が利用している。
大分労働局は各ハローワークを通じて事業を紹介、高校や大学にも協力を依頼してきた。「同趣旨の事業に対象者が流れた可能性もあるが、まだ就職できずに困っている人は多いはず。卒業生、企業双方にメリットがある事業なので、ぜひ利用してほしい」と呼び掛けている。
<ポイント>新卒者体験雇用事業
昨年10月~今年9月に中学や高校、大学などを卒業し、就職活動を続けている人が対象。求人を出した企業の選考をパスすれば、賃金をもらいながら働き、職場や職種への理解を深めることができる。企業には受け入れ1人当たり最高16万円の奨励金が国から支給される。
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