
故・坂本達美さんの仏前で、豊後万歳の練習をする藤原三治さん(右)と、太鼓をたたく坂本さんの妻のマサカさん
県の民俗芸能「豊後万歳」を継承する玖珠町の「豊後万歳保存会」と、豊後万歳の継承者だった国東市の故・坂本達美さんの妻、マサカさん(94)が9月に同市であるイベントで初めて共演することになり、保存会の岩下恒之会長(88)と藤原三治さん(59)が、坂本さん宅を訪れ練習を始めた。
豊後万歳保存会によると、豊後万歳は正式には「豊後初春寿万歳」といい、国東地方の農村で生まれた。正月になると「囃子(はやし)手」と「舞手(まいて)」の2人一組で家々を回り住民に喜ばれていたが、現在ではほとんど見られないという。
達美さんは保存会結成のきっかけとなった人物で、東京の国立劇場で豊後万歳を演じたこともある継承者だったが、1996年に81歳で亡くなった。妻のマサカさんは締太鼓を打つ囃子手をしていた。
達美さんの指導を受けていた藤原さんが「師匠への恩返しのため、発祥の地である国東で演じたい」とマサカさんに出演を持ち掛け、9月19日に同市である「弥生のムラくにさき古代祭り2010」で共演が実現する。
練習では、岩下会長が見守る中、藤原さんは鮮やかな青い着物や烏帽子(えぼし)など達美さんの形見の舞衣装を身に着け、マサカさんの太鼓に合わせてリズムよく息の合った万歳を演じた。
マサカさんは「この地域で演じる人がおらず、寂しい思いをしていた。国東にまた万歳の音が響くことになり主人も喜ぶと思う」と笑顔。藤原さんは「これを機に万歳への関心が高まり、発祥の地で再び万歳文化が復活してくれれば」と願っている。
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