
専門的な実践能力を持つ看護師を養成している県立看護科学大学
医師の指示の下に特定の医療行為を担う看護師の新たな枠組みとして持ち上がっている「特定看護師(仮称)」について検討するため、厚生労働省は、専門的な実践能力を持つ看護師を養成している県立看護科学大学大学院(大分市、草間朋子学長)を「特定看護師養成調査試行事業」の実施課程(修士)に指定した。9月から病院と連携して特定の医療行為の実習を始める。
「特定看護師」は、厚労省の「チーム医療の推進に関する検討会」が3月にまとめた報告書で提案した。これを踏まえて厚労省は、実証的な調査を行うために先進的な取り組みをしている看護系大学院などに協力を呼び掛けていた。県立看護科学大や東京医療保健大など申請があった四つの大学院を指定した。
看護師は法律上、「診療上の世話または診療の補助」を行う職種とされているが今回、指定された大学院では、十分な安全管理体制の下に「診療の補助」の範囲に含まれるかどうか不明確な医療行為の実習ができる。
県立看護科学大は修士課程老年NP(診療看護師)コースの2年生(5人)が対象。専門科目の履修と併せて、9月以降、大分市の岡病院、別府市の県厚生連鶴見病院、湯布院厚生年金病院、佐伯中央病院、天心堂へつぎ・おおの診療所や老健施設などで医師の指導を受けながら、高齢者の診察、尿、便、血液などの検査、褥創の壊死(じょくそうえし)組織に対する外科的処置、発熱など軽微な症状に対する薬剤の選択と使用などを実習する計画。
全国に先駆けてNP養成コースを開設し、「NP特区」を国に提案するなど看護師の業務拡大や自律的な看護職の育成に取り組む草間学長は、今回の調査試行事業を「特定看護師の法制化に向けた大きな一歩」と話している。
一方、日本医師会は看護師の業務拡大には賛成しているが、特定看護師の法制化については反対している。
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