
旅行会社に文化財の修復ツアーを売り込む県教委やツーリズムおおいた関係者(左側)=福岡市内
大分県内の文化財の修復現場を公開する取り組みが県外の旅行会社から注目され、予想外の人気を呼んでいる。県などがツアー商品として売り込んだところ、宇佐神宮(宇佐市)には秋の公開期間に福岡や大阪から約1万人分の予約が入り、見学ツアーは公募の県民枠を除きすべて埋まった。一方、公開期間が旅行企画に向かないものもあり、観光客を誘致する上での課題も浮かび上がってきた。
修復公開は宇佐神宮や天念寺(豊後高田市)など県内六つの国、県指定文化財で初めて実施する。現場で職人や専門家が作業工程を説明する見学ツアーも組み込んでいる。文化財を管理する県教委と県、ツーリズムおおいたが連携しながら東京、大阪、福岡などの商談会で旅行会社に売り込んできた。
特に人気を集めたのは宇佐神宮。境内にある八坂神社で「檜皮(ひわだ)ぶき屋根の吹き替え」作業の見学に加え、普段は公開していない「呉橋」や本殿の見学もできる。当初は公開期間(10月2日~17日)に1600人程度を見込んだが、旅行会社などが9400人分を予約。予定していた1日2回の見学ツアーを5回に増やして対応することになった。約500人分の予約を入れた旅行会社「クラブツーリズム」(福岡市)は宇佐神宮見学とコスモスなどの観賞をセットにした福岡発着日帰りツアーを検討中。「普段見ることができない施設や作業は希少価値があり、旅行商品として魅力」と説明する。講堂を改修中の天念寺も12月までの公開期間に約4千人分の予約が入った。
一方、屋根を吹き替えている咸宜園(日田市)は「公開時期が8月下旬から9月上旬の暑い時季で業者が敬遠」(県教委)、岡城跡(竹田市)も石垣積みの作業公開が2日間と商品化しにくいこともあり、申し込みは低調だったという。
ツーリズムおおいたは「文化財の修復が旅行商品として有望であることは分かった。作業の見学に別の価値を付けるなど、来年度以降は売り込みに工夫が必要」と話している。
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