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実用化近づく、温泉熱発電 国が後押し

[2010年07月22日 11:09]

ターボブレードが佐賀大学との共同研究で開発した温泉熱発電装置の試作機。来年度末をめどに実用化を目指す=ターボブレード提供

 温泉の熱湯を使う新しい発電装置が実用化に向かって動きだしている。環境エネルギー分野の革新を掲げる政府の新成長戦略が追い風となり、大分県内の企業も開発を進めている。太陽光や風力に比べて持続的、安定的に発電できる強みがあり、温泉の源泉数が全国一の大分県にとって有望な方法として注目される。

 温泉熱発電は、源泉から引いた湯の熱で媒体(代替フロンやアンモニアなど)を気化させ、その蒸気でタービンを回して発電する。湯は適度に冷やされ、そのまま浴用に使える。通常、高温の源泉は湯を冷まして浴用にするが、発電装置は冷却と発電の一石二鳥の効果がある。湯は60度以上であれば発電が可能という。
 ファンやタービンの設計を手掛ける地場企業のターボブレード(大分市、林正基社長)は佐賀大学と共同研究し、試作機を作製。来年度末をめどに実用機による稼働を目指している。発電能力は100キロワットで、家庭の平均消費電力の200~300戸分に相当。大手メーカーでは川崎重工業や神戸製鋼所なども同様の発電機の実用化を進めている。
 普及を後押しするのが、発電分を電力会社が買い取る固定価格買い取り制度。近く導入の見通しで、仮に1キロワット時当たり20円に設定されれば100キロワットの発電能力で年間約1700万円の売電ができる。林社長は「欧州では利益を得るための発電事業が個人にも広がっており、装置を低価格化できれば日本でも普及する。導入費用を3年で回収できる価格で量産化したい」。
 日本銀行大分支店によると、群馬県の草津温泉や新潟県の松之山温泉では既に実証実験や実用稼働が始まっている。同支店は「大分県には豊富な温泉資源があり、温泉熱発電の普及が期待される。“環境先進県”として自然エネルギーの利用拡大を産学官で進めてもらいたい」と話している。

▼固定価格買い取り制度
 自然エネルギーによる発電を電力会社が一定の価格で買い取る制度。太陽光発電では既に導入されており、ほかの発電方法にも適用する方針で国が検討している。6月に閣議決定した新成長戦略では、同制度を軸に再生可能(自然)エネルギーの普及拡大を進めるとしている。

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