景気の持ち直しが鈍く、企業が設備投資を控えるなど、金融機関の融資が伸び悩んでいる。こうした中、豊和銀行は昨年度、外回りの渉外担当者を約60人増員。大分銀行も今後3カ年で営業部門を90人程度増員する計画を打ち出した。積極的に企業を回り、経営上の悩み解決にも協力することで新たな資金需要を生み出す。金融機関の本分といえる融資での収益向上を目指す。
豊和銀は行員の配置転換で渉外が従来の約1・5倍となる171人に。同時に、取引先の紹介など企業の課題解決に取り組む専門部署を設けた。金融機関全体の貸出金残高(企業への融資や個人ローンなどの残高)が低下する中、同行は3月末で前年比1・9%増。安藤英徳頭取は「渉外体制の強化が背景になっている」と成果を強調した。
一方、大分銀は中長期的な経営戦略の一つとして「営業力の強化」を挙げた。取引先と長く良好な関係をつくる地域密着型金融を進めるとし、姫野昌治頭取は「単なる貸し出しではなく、企業にいろいろなビジネスのアイデアを持って行くことで付加価値のある営業をしたい」と説明した。
営業強化は各金融機関共通の課題で、大分信用金庫は本年度、内部職員も週1回の外回り営業を始めた。
企業側には「今は大手銀行も低金利で借り入れを頼みにくる。てんびんに掛けて安い方から借りる」(小売業)と金利面の競争を歓迎する声や、「外回りの人がよく来るようになったし、こちらの仕事につながりそうな情報を持ってきてくれるのでありがたい」(製造業)と話す経営者も。
日本銀行大分支店によると、県内全体の貸出金残高と貸出金利は低下傾向にあり、金融機関は融資での収益が上げにくい状況にある。大政浩一支店長は「全体の貸し出し規模が縮小しており、金融機関同士が貸出先の奪い合いをしている。金利をさらに下げると利ざやの確保が難しくなる。営業で取引先との結び付きを強めることが不可欠になっている」と話した。
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