
吉松選手(中央)にレース用車いすの乗り方を教えてもらう生徒たち=16日午前、佐伯市の蒲江翔南中学校
車いすマラソンのランナーが学校現場に出向き、“先生”として子どもたちと触れ合う「おでかけワークショップ」が好評だ。第30回の節目を迎える大分国際車いすマラソン大会(11月14日・大分市)の記念事業の一環。佐伯市の蒲江翔南中学校(冨高芳樹校長、196人)では、過去29回のレースすべてを完走している別府市の鉄人・吉松時義選手(67)がレースの魅力や醍醐味(だいごみ)を伝えた。
「車いすマラソンで一番大変なことは何ですか?」「レース中はどういう気持ちで走っていますか?」「普段はどこで練習しているのか教えてください」
16日、同校の体育館。子どもたちからの質問に、吉松選手は相好を崩しながら答えた。「つらいことは多い。でも、前向きに取り組めば楽しくなる。そう思う気持ちと姿勢が大切です」
ワークショップは6月13日、臼杵市の下北小学校を皮切りにスタートした。「記念大会を盛り上げるためにも、実際に選手たちと会って『すごさ』を知ってほしい」。そんな事務局の募集に対し、県内約30の小・中学校や短大から「開催希望」が舞い込んだ。
先生役を買って出たのは吉松選手をはじめ、2006年の第26回大会で日本人初優勝を遂げた笹原広喜選手(豊後高田市)ら約15人。それぞれ手分けしながら各校を訪ね、次代を担う子どもたちに「夢を持って頑張れば必ず報われる」ことを説いている。
蒲江翔南中で、吉松選手は生徒にレーサー(競技用車いす)の乗り方を指南した。初めての体験に2年の戸高康平君(13)は「難しかった。これで42キロ以上を走るなんて僕には無理。できれば、11月はぜひ沿道から応援したい」。
ワークショップは来年3月末まで続く。
「幸せは一人一人違う。それは自分の心が決めるんです。みんなも目標に向かって努力してほしい」。全校生徒の前で、吉松選手は最後にそう語り掛けた。
<ポイント>
大分国際車いすマラソン大会
国際障害者年の1981年、世界初の国際レースとして始まった。これまでに76カ国・地域から延べ約1万人の選手が出場するなど、世界最大級のレースとして有名。第30回記念大会のマラソンは初の賞金レースとなる。県、日本障害者スポーツ協会・日本パラリンピック委員会、大分合同新聞などの主催。
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