大分のニュース

より家庭的 児童養護施設の小規模化進む

[2010年07月19日 09:56]

児童養護施設「森の木」が新設した地域小規模児童養護施設「きんもくせい」。子どもたちの食事の準備をする職員=大分市内

 虐待などによって心に傷を受けた子どもたちが増える中、児童養護施設が大規模ケアから小規模ケアへと変わりつつある。これまで県内で1カ所だった「地域小規模児童養護施設」は本年度、4カ所に増加。さまざまな事情で親元を離れて暮らす子どもたちを、より家庭的な環境の中ではぐくもうとしている。

 大分市中尾の児童養護施設「森の木」(定員40人)は今年4月、民家を借りて同市内の別の場所に、小規模施設の「きんもくせい」(同6人)を開いた。小学3年から高校3年までの5人が暮らす。
 夕方6時すぎ、食卓にはスパゲティと魚のフライを盛った皿が六つ。はしを並べる職員が「宿題は終わった?」と問い掛けると、子どもたちは雑誌をめくりながら「う~ん」と生返事を返しながらも、一日の出来事を話し始める

 児童養護施設の子どもの約7割は親の不適切なかかわりが理由となって入所しており、「どの子も愛情不足をベースに抱えていると感じる」と川野義人施設長。大人の愛情を試そうと暴れ、3歳の子ですら、職員に「ばか」「死ね」などの暴言を浴びせるという。
 「自分はいらない子、駄目な子という自己イメージを持っている。そんな子どもとの信頼関係を築くには、相応の時間と密なかかわりが必要と痛感した」
 小規模施設に移り、子どもたちは落ち着きだしたという。担当職員(23)は「時間がゆったりと流れている感じ」と話す。子どもたちは夕食の買い出しや片付けを手伝い、回覧板を隣の家に届ける。「家庭生活のイメージを持つことは、子どもの成長に欠かせない」と川野施設長は考える。
 同様に4月から小規模施設を設けた別府市の「光の園」。松永忠施設長は「子どもは、安心できる場所があってはじめて社会性を身に付け、少しずつ自分の世界を広げることができる。守られている、大切にされていると実感できる“家”が必要」と話す。

<メモ> 県内には児童養護施設が9施設ある。定員は35~80人。職員の配置基準は子ども6人に対して職員1人で、1976年から変わっていない。地域小規模児童養護施設は定員となる子ども6人に対し職員2・5人とケアが手厚いのが特徴。県内では2008年に初めて別府市の「別府平和園」が小規模施設を開設、今年4月にも新たに1施設を設けた。

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