
日本臓器移植ネットワーク(東京都)が配布している「意思表示カード」
改正臓器移植法が17日に施行されるのに伴い、県は県内30の医療機関に勤務する医師や看護師ら101人を「院内移植コーディネーター」に委嘱する。臓器移植を円滑に進めるために患者やその家族に臓器の提供を提案するなど、調整役として病院側との間を取り持つのが大きな役割。「法改正を機に、県民も臓器移植に対する考え方などを家族で話し合ってほしい」(県健康対策課)と呼び掛けている。
臓器移植法は1997年に施行された。これまで脳死状態での移植は本人(15歳以上)と家族の同意が必要だったが、今回の改正では▽本人が事前拒否している場合を除き、家族の同意で提供が可能▽臓器提供の年齢制限が撤廃され、脳死状態の子どもからも移植ができる▽健康保険証や運転免許証に意思表示欄が設けられる―など、大幅に条件が緩和される。
県によると、全国の腎臓移植希望登録者数(今年5月末現在)は1万2566人、そのうち県内は59人。法施行以降、心停止などでの腎臓提供は国内で1169件(移植2350件)。県内は計3件(同8件)で脳死状態での提供・移植はない。
法改正を踏まえ、県は今年4月から「県臓器移植コーディネーター」(看護職の女性)を常勤化。医療機関を巡回しながら移植への啓発などに努めている。
一方、新たに任命される「院内移植コーディネーター」は17日に県庁で委嘱式があり、その後は各病院で(1)ドナー(臓器提供者)の年齢、臓器機能などの状況や適応把握(2)意思表示の確認(3)手術室確保などの連絡調整―などに当たる。
改正法の施行で、臓器移植は全国的に増えるとみられている。同課は「患者の容体が厳しいときに、臓器提供の話を切り出すことは病院にとって荷が重い。普段から家族みんなで『尊い意志』を話し合っていれば、さらに環境が整うきっかけにもなる」としている。
<ポイント>
県内での臓器移植(腎臓)
心停止での摘出協力機関として30病院が県腎バンク協会(大分市)に登録。脳死での摘出は脳死判定できる県内4病院だけが登録しており、いずれも該当者(臓器提供者)が現れた場合、大分大学医学部付属病院の専門チームがそれぞれの登録病院に行き摘出手術をする。県内での移植手術はすべて同大学付属病院で行う。
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