
体のほとんどを動かせないが、口頭で職員に詩を伝えるなどして詩集「風の詩」を作った小野哲男さん(右)
由布市挾間町の身体障害者療護施設「県のぞみ園」(三井久満園長)に入園する小野哲男さん(54)が、詩集「風の詩(うた)」を発表した。小野さんは幼少期の高熱で脳性まひとなり、体のほとんどを動かせないが、口頭で職員に詩を伝えるなどして100編の詩を作った。小野さんは「詩集に込めたメッセージは生きる希望。多くの人に読んでもらって元気を与えたい」と力強く話した。
小野さんは、同町赤野生まれ。15歳で入院した西別府病院で詩に出合い、創作活動を始めた。18歳からのぞみ園に入園し、19歳と25歳の時に詩集を制作。その後は、しばらく創作から離れていた。同園で25年間一緒に生活した恋人が、1997年に死去。その恋人から亡くなる前に「これから何にでもチャレンジしてほしい」と言われたことをきっかけに、さまざまな取り組みを再開した。
2008年から詩集をまとめるために本格的に創作活動を始めた。詩を思い付くのは、寝る前や景色を見ているときが多いという。題材は、日々の生活や亡くなった恋人のことなど多岐にわたり、読む人を勇気づけるメッセージやユーモアあふれる作品もある。
小野さんは「小さいころは不自由な体が嫌で、死にたいと思うことも多かったが、今は命を大事にして前向きに生きたいと思うようになった。毎年多くの人が自殺するのは寂しい。詩を読んで生きる希望を持ってもらいたい」と話す。
未発表の詩も150編ほど書きためており、順次発表していきたいという。
詩集は50部作成。今後、図書館などへの寄贈も考えているという。問い合わせは、同園(TEL097・583・0350)まで。
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