
涙ながらに両親への思いを語る佐藤さん
犯罪被害について理解を深めてもらおうと、大分被害者支援センター主催の講演会が玖珠町のくすまちメルサンホールであった。埼玉県在住の佐藤咲子さん(60)が、強盗殺人事件で両親を亡くした経験を語り、被害者への支援の輪の広がりを涙を浮かべて訴えた。
町内などから約50人が参加。同センターの松永忠理事と来賓の朝倉浩平町長、安部一二三玖珠署長があいさつした。
1964年、高校1年生だった佐藤さんは岩手県川井村で発生した強盗殺人事件で、両親を猟銃で射殺された。高校に通うため、下宿していた佐藤さんと兄は事件から逃れたが、この日から孤児となった。
犯人は逮捕され、死刑が確定したが、心の傷はいつまでも残った。結婚をしても一番に伝えたい両親がおらず、「事件以降、真の幸せは一度もない」という。
佐藤さんは加害者が弁護士から保護され、保護司などの協力で社会復帰する一方、被害者には支援が十分でなかったことに触れ、「人のぬくもりが被害者の心のケアになる。今は支援センターがあるので、苦しんでいる被害者は名乗り出てほしい」と訴えた。
佐藤さんは「講演することは事件の傷を癒やす心のケアの一環でもある」と2006年から全国で被害者の気持ちを訴え続けている。「話すことで固くなった心が次第に和らいでいる」という。
同センターの支援内容の説明や玖珠少年少女合唱団のコーラスもあった。同センターには昨年、犯罪被害者からの相談が254件寄せられている。
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