
ソウルで日本ラーメンへの思いを語る九州ラーメン専門店経営者、李康雨さん(共同)
韓国ソウルで、日本ラーメン専門店の開店が相次いでいる。市内の専門店は数十軒。日本で修業を積んだ韓国人による店が多く、めんやスープは自家製という本格派も。日本を訪れる韓国人の増加に伴い、日本ラーメンのファンも増えているという。
「替え玉、バリカタで!」
若者らが集う弘大地区の九州ラーメン専門店「和(なごみ)」。従業員は、めんのお代わりなどの注文を日本語で調理場に伝える。こってり系のとんこつラーメン。「韓国人はとんこつの臭みが苦手」との定説を打ち破り、日本ラーメン店の集まる「激戦区」で高い人気を誇る。
経営者の李康雨さん(33)は、大分市の日本文理大学に留学した2001年、初めて食べたとんこつラーメンに魅了された。
九州ラーメン店でアルバイトを始め、味の秘訣(ひけつ)を徹底的に学んだ。08年7月に開店。周囲から「半年でつぶれる」とうわさされたが、1年で経営を黒字にした。
めんは硬めや、さらに硬いバリカタ、軟らかめなど5種類。ギョーザやおでんも扱う。李さんは「日本の味をそのまま出すことで魅力が伝わる。韓国風に手を加えることはしません」と話す。客の9割は韓国人。「病みつきになった」と通い詰める常連客も少なくない。「ソウルにラーメン博物館をつくり、日本の名店を招いてみたい」。李さんの夢は膨らむ。
もともと韓国の国民性は“ラーメン好き”。世界ラーメン協会(本部・大阪府池田市)によると、09年の韓国の即席めん消費量は34億8千万食で、世界第6位。1人当たりの消費量では年間72食と世界一で、日本の42食を大きく上回る。
ソウルで日本人向け情報誌の編集長を務める大西悠さん(31)は「日本ラーメンは、保守的だった韓国人の味覚に変化をもたらした。日韓交流の拡大により、韓国人が現地で『本物の味』に触れる機会が多くなったのも人気の背景」と話している。(ソウル共同=佐藤大介)
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