妊娠や出産をきっかけに、職場で不利益な扱いを受けるケースが後を絶たない。大分労働局に2009年度に寄せられた相談件数は49件。前年度(86件)より減ったものの、正社員からパートへの切り替えを持ち掛けられたり、契約更新を一方的に打ち切られるなどしている。「最近は事業主も法律を意識して、直接的には妊娠、出産を理由としないだけに、解決が難しくなっている」という。
大分市内の清掃業の会社で働いていた20代女性は妊娠して育児休業の取得を申し出た今春、正社員からパートへの切り替えを求められた。従業員十数人の小さな会社で、育休や産休の実施例はない。「子どもが小さいうちはよく熱を出したりする。パートの方が休みを取りやすいし、その方が楽だろう」と言われた。
「この不況時にやっと入れた会社。法律で育休が取れることは知っていたが、立場的に弱く、『例がない』と言われると反論できなかった」と女性。結局、依願退職を余儀なくされた。9月からパートとして働くつもりだが、待遇は下がってしまうという。
育児・介護休業法、男女雇用機会均等法は、結婚や妊娠、出産を理由とした退職強要などを禁じている。
だが、同労働局によると、「子どもが小さい時は家にいた方がいい」「不況で会社を合理化する」など遠回しな言い方で、追い詰められるケースが目立っている。契約社員や派遣労働者も原則として、一定条件を満たせば育休・産休を取得できるが、制度がないとして契約更新されなかったとの相談も寄せられている。
大分労働局雇用均等室は「事業主への啓発に努めたい。不利益な扱いを受けたと感じた場合は早めに相談してほしい」としている。
<ポイント>育児・介護休業法
6月30日に改正法施行。(1)父母がともに育児休業を取得する場合、子どもが1歳2カ月になるまでの間、それぞれ1年間の育休が取得できる(2)子どもが3歳になるまで、1日の所定労働時間を原則6時間とする短時間勤務ができる―などを新たに定めた。
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