
「クラブ運営は“揺らぎ”の渦中にある」と指摘する谷口准教授
地域住民が企画し運営する「総合型地域スポーツクラブ」について、大分大学教育福祉科学部(スポーツ社会学)の谷口勇一准教授(40)が、自身の経験を踏まえ「クラブ運営は変化、成長、再生の契機となる“揺らぎ”の渦中にある」と指摘する論文をまとめた。クラブの可能性を肯定的にとらえ「運営に携わる人材育成が成功への鍵」と指摘している。
谷口准教授は2009年度県体育協会総合型地域スポーツクラブ育成委員長など、クラブ運営に深くかかわってきた。
論文は「福祉社会のアミューズメントとスポーツ」(世界思想社)に収録されている。総合型クラブ育成構想は、住民が主体となってスポーツ振興を果たしていく“脱行政主導”を掲げるが「行政主導で無理につくられたクラブもあり、消滅することも想定しなければ」とも指摘。発展していくためには「住民やスポーツ集団がどのような(地域におけるクラブの存在価値や役割といった)アイデンティティーを形成し、継続的に実践できるかが重要」としている。
行政との関係性を再構築し住民の信頼を得ている923(くにみ)みんなんクラブ(国東市国見)や、スポーツ以外の活動にも取り組む川添なのはなクラブ(大分市川添)を好例として紹介。「両クラブは運営を支えるリーダーの存在が大きい」としている。
谷口准教授は00年の大学着任後、陸上競技部の顧問を引き受けた。理想とする陸上部と、現状とのギャップを埋めようと努力した。自信をもって臨んだが部員の反発もあり試行錯誤した経験がある。「私も部の運営で揺らいだ。それによって、しっかりとした組織が生まれたとも思う。揺らぐことを恐れないでほしい」とアドバイスしている。
<ポイント>県内の総合型地域スポーツクラブ
県内には2003年の、みえスポーツクラブ(豊後大野市)をはじめ、これまで26クラブが設立された。本年度の設立予定が5クラブあり、全市町村にクラブができる。
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