
「長い間ありがとうございました」と話す亀井よしみさん(右から2人目)やタケ子さん(同3人目)ら
臼杵市新町の老舗おでん店「のんきや」が、今月末で閉店。74年の歴史に幕を下ろす。城下町で多くのグルメ、酒好きに愛された伝統の味が、惜しまれつつも姿を消す。
1936年、亀井ケサオさん(故人)が初代おかみとして創業した。戦時中も物資不足だった1年間を除き営業を続けたという。
代々漁業者の家系だったことから、刺し身がメニューの一つに。刺し身の後おでんに移るのが“通”な食べ方として今も伝わっている。
ダイコンなどの定番メニューがそろうほか、きんちゃくや焼き豆腐が人気メニューに。昔ながらの仕入れ先から厳選した具、手間をかけた仕込みに裏打ちされた味が多くのファンを引きつけてきた。
70年ごろ、めいの亀井タケ子さん(68)が2代目おかみに。4年前にタケ子さんのおいの妻、亀井よしみさん(59)が3代目となり、5人で店をやってきた。ところがよしみさんの足が弱り、長い立ち仕事に耐えられなくなってきたため「お客さんに悪いなあ」と思いつつも閉店を決めた。
閉店を知ったファンが「最後に」と多く来店しているため、月末まで席は予約でいっぱいだという。
タケ子さんは「酔っぱらいに困ったこともあったけど、みんないいお客さんだった」と感想。よしみさんは「竹宵の時期に遠くから来てくれたり、盆や正月の前に鍋を持っておでんを買ってくれた。品切れのメニューがあっても笑って許してくれた。長い間ありがとうございました、という気持ちでいっぱい」と話している。
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