豚の凍結保存した精液を使った人工授精法の実用化を目指している県は、今秋から県内の養豚農家向けに凍結精液の普及に取り組む。母豚の発情期を逃さず受精が可能になり生産性が向上するほか、母豚の病気に感染するリスクの軽減、精液確保用に飼育している雄豚を減らせることで、コスト削減にも役立つという。
凍結精液による人工授精は牛では一般的だが、豚の場合は生産性が著しく低く実用化していなかった。
県は広島大学大学院と共同で研究。原因は精子を取り巻く精漿(せいしょう、液体)に含まれているウイルスや細菌と考え、精漿を除去した上で精子を凍結。解凍後にきれいな精漿を再び加えて人工授精する技術を開発した。養豚農家での実証化試験で自然交配と同等の繁殖成績が得られたため、実用化に向けて一歩踏み出す。
県農林水産研究指導センターは「凍結精液を使えば、各農家は優秀な豚の育種改良もできるようになる。農家のニーズは高く、所得向上につなげていきたい」と話している。
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