
処分を終えた農場を消石灰で消毒する様子=宮崎県提供
「農家の顔を見るのがつらかった」。宮崎県の口蹄(こうてい)疫の感染拡大に伴い、最大の被害地・川南町に派遣され、家畜の殺処分に携わった大分県畜産振興課の男性職員(38)=獣医師=。現地での処分の任務と農家へのやり切れない思いのはざまで揺れた心境を語った。
職員は国からの派遣要請を受け、5月27日から6月2日までの7日間、川南町の農場で家畜の処分を担当した。滞在中は宮崎市内のホテルに宿泊。毎日午前7時ごろ、全国から集まった関係者と大型バスで川南町役場に向け出発。役場では帰りの廃棄を想定して2枚重ねの防護服に着替えた。
朝礼で5~20人ほどの班に振り分けられ、農場へ出発。農場入り口で車を降り、準備してあったゴーグル、手袋、マスクなどを装着。待っていたリーダーの宮崎県職員と合流して農場に入り、牛や豚を薬や電気などで処分した。
処分を終えると、農場主らが涙ながらに「ありがとうございました」と頭を下げた。「手塩にかけて育てた“財産”を失ったのに礼を言う姿は見ていられなかった。理屈は分かっていても、なぜこんなことをしなければならないのかと、心が痛んだ」と振り返る。
宮崎県での任務を終え、「作業内容は予想できたが、こんな気持ちになるとは想像できなかった。大分県で悲しむ農家の姿は見たくない。口蹄疫を出さぬよう、防疫に努めることが大事だとあらためて感じた」と力を込めた。
きょう報告会
メモ
国からの要請を受け、大分県は5月23日から獣医師資格を持つ技術職員ら9人を宮崎県に派遣。家畜の殺処分、埋却、ワクチン接種などに携わった。各職員は移動日を除き、大分県に帰ってから5~7日間の自宅待機を経て、職場復帰している。県は22日、市町関係者らを対象に防疫作業の参考にするための派遣職員の報告会を開く。
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