
ホースの中継を急ぐ竹田市消防団員ら。毎年、消火栓を3カ所、防火水槽を4カ所ずつ増やしているが課題は山積み
竹田市片ケ瀬で建設会社事務所と、隣接する倉庫が全焼した火事は、市が抱える消防活動の課題の一つを浮き彫りにさせた。現場近くには消火栓などがなく、一時、放水がストップした。広い面積に複雑な地形。消防水利施設をどう確保するのか―。
火事は3日午後2時40分ごろに発生。2千リットルの水を積んだ消防車は到着後、放水を開始したが約5分でなくなった。一方で、市消防署員や消防団員らは約700メートル離れた大野川から取水するため、消防車4台を経由してホースをつなぐ作業を進めたが、放水が再開されるまで10分ほど要した。
現場は民家や事業所などが数軒ある国道502号沿い。近くの女性(70)は「風が強かったらと思うとぞっとする」と心配そうに消火活動を見守った。
市消防本部によると、市内で消防水利施設に指定しているのは、消火栓が326カ所、防火水槽が453カ所、学校のプールや河川が82カ所。そのほか、水路などでも火災の際には使用することを想定している。
市内の山間部などでは道路事情が悪かったり、民家が散在している地域も多い。市は地元の要望を受け、付近の水利状況や集落の形態などを勘案しながら、毎年、消火栓を3カ所、防火水槽を4カ所ずつ増やしてはいるが、隅々まで行き渡るのは困難なのが現状。
「今回に限らず、林野火災で取水場所が遠いケースもまれにある」と同本部。日常のパトロールなどを通じて消火活動が困難な地域の把握、取水場所の検討を進め、春と秋の消防団の訓練でもホースの中継に重点を置いている。
同本部の児玉淳一次長は「限られた条件の中で、ベストの戦術を駆使するしかない。市民の生命、財産を守るため、関係機関と連携し、より高レベルの消防活動を展開したい」と話している。
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