
フィレ加工された養殖ブリ=県漁協提供
大分県漁業協同組合(山本勇組合長)は本年度、養殖ブリのフィレ(三枚おろし)加工施設を、佐伯市米水津に建設する計画を進めている。近年、取引先のスーパーなどから生産地でフィレ加工を済ませた製品を求める声が高まっており、商品の選択肢を増やして販路拡大につなげる狙い。
県漁協などによると、加工施設は同市米水津の色宮漁港に建設する。鉄骨2階建てで、延べ床面積は約900平方メートル。10月ごろに着工し、来年4月の操業開始を目指す。国、県、佐伯市の助成金を活用。総事業費は約3億7千万円。
県南で養殖したブリを頭や骨、内臓などを除いた切り身に加工し、保冷した状態で関東、関西の量販店に即日出荷する。従業員はパートを含め常時12~13人態勢。初年度はブリやカンパチなど約12万匹を加工する計画。冬場はブリが中心になるが、年間を通じて県内全域の天然魚を使った加工商品の開発にも取り組む。
従来、県産の養殖ブリはほとんどのケースで、1匹丸ごと出荷してきた。量販店が鮮魚コーナーなどで加工して商品化していたが、コスト削減から生産地での対応が求められるようになり、他県でも取り組みが進んでいるという。関係者は「消費者に販売する量販店の立場は強い。産地間競争に勝ち残るには対応は必須」と背景を説明する。
県水産振興課は築地市場(東京)の市況を基に、フィレ出荷した場合は1匹丸ごとに比べ、1キロ当たり約5円高く販売できると試算する。漁協、流通関係者は「今後はフィレでどこまで売価を上げられるか、販路開拓をどうするかが課題になる」と指摘した。県漁協は「ほかの魚の加工商品作りにも積極的に取り組み、魚価の低迷で経営が厳しい生産者の所得向上につなげたい」と力を込めた。
<ポイント> 養殖ブリ
県漁協によると、大分県は全国3位の産地。大分農政事務所のまとめでは2009年のブリ類の生産量は約1万8千トン。県内の海面養殖業の8割を占める。
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