
「地域に恩返しがしたい」と話す植木隆さん、静江さん夫婦=大分市三佐
障害のある人、高齢者や小さな子ども連れのお母さん、心がちょっと“風邪気味”の人たちがホッとできる場所にしたい―。大分市三佐で23日、小さなカフェ&ギャラリーが再開する。障害のある息子をプール事故で亡くした植木隆さん(60)、静江さん(56)夫婦が仲間の応援を受けて、活動を再スタートする。
地域交流広場「コミュニティーカフェ&ギャラリーWARA・WARA(わらわら)」。2002年、特別支援学校に通う子どもの保護者と一緒に、卒業後もみんなが集える場所をつくろうと開いた店だった。
最初は自宅を利用していたが、アットホームな空間に訪れる人が増え、07年5月には近くに店舗を構えた。息子の隆博さん=当時(23)=を失ったのは、その直後の同年8月だった。
隆博さんには重度の知的・身体障害と、てんかんの発作があった。福祉サービスでプール遊びをしていた時、付き添っていたヘルパーが目を離し、おぼれた。
「2歳で息子が障害を負ってから何度、神様とけんかしたことか。なんでまた…」。店を閉じた。怒りに震え、落ち込む日が続いた。「二度と同じような事故があってはならない」と決断した提訴。今年の2月に和解により裁判は終わった。再び前を向けるようになるまで事故から2年以上が過ぎていた。
2人は「障害がある人だけでなく、さまざまな人がおしゃべりを楽しみ、元気になって地域に戻っていく場にしたい」という。人の悩みや相談に耳を傾け、必要に応じて関係機関につなぐことができるように勉強もしてきた。
「息子を亡くし、いろんな経験をしたからこそ伝えられることもあると思う」と静江さん。「今までに出会った人の輪に助けられた。少しずつでも地域に恩返ししていきたい」と話す。
WARA・WARAのギャラリーでは、障害者施設などで作られた商品を展示・販売する。貸しスペースとしての利用も可能。23~28日は記念イベントを開催。問い合わせはTEL097・521・2795。
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